蓄電池の充電方式について

皆さんこんにちわ。

今回は蓄電池による充電の種類と充電方式の違いについて解説していきたいと思います。

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充電とは

そもそも充電というのは、電池(蓄電池や⼆次電池)の電極より⾼い電圧で、放電とは逆⽅向に電流を流して、電気エネルギーを蓄える事を言います。

ですので、充電しようとする蓄電池の電圧よりも大きな電圧(電流)を与えてあげないと電気は蓄積されないのです。

例えて言えばぬるいお風呂にぬるいお湯(低い電圧や電流)を与えても、湯船のお湯は温まらないのと同じです。

充電の種類

蓄電池の充電にはいくつかの種類があり、浮動充電やトリクル充電などがありますので、これらを解説していきます。

浮動充電(フロート充電)

浮動充電(フロート充電)方式の例

浮動充電(フロート充電)方式の例

この浮動充電は、上記の図のように充電装置(整流器)に対して蓄電池と負荷機器を並列に接続した状態で、蓄電池に定電圧を送り、負荷機器を作動させながら蓄電池も充電を行うという方式のことを言います。

停電時には上記の図のように負荷機器に並列に接続されている蓄電池から負荷機器へ電力を供給して負荷機器を作動させます。

仮に蓄電池が放電しても電流値を多くして蓄電池を充電しますので、蓄電池の容量が無ければ電流値大で充電を行い、容量がいっぱいなら電流値は極小になります。

蓄電池には常に電力が供給され常時満充電状態を保持し、満タンの時の電流値はほぼ0にして蓄電池の寿命を延ばす仕組みになっています。

また、蓄電池と負荷機器が常時繋がっていて停電時の電源瞬断が無いので、一瞬でも電源が切れたくない(電圧を保証したい)機器に採用されています。

そのためこの充電方式の場合は電源の切替装置は不要になります。(停電を検知して回路を切り替える装置)

トリクル充電

トリクル充電方式の例

トリクル充電方式の例

トリクル充電は、上記の浮動充電とは異なり、上記の図の様に蓄電池を負荷機器を別回路で接続し、通常時負荷機器は常用電源のみで使用し蓄電池を微弱な電流で充電していますが、停電を検知すると切替装置が働き、蓄電池の電源を負荷機器へと接続して蓄電池の電力で負荷機器を使用する方式になります。

また、浮動充電方式は蓄電池が満タンでも電圧を供給(電流はほぼ0)していますが、トリクル充電方式は微弱な電流を流して蓄電池を常に満タンにしています。

常に微小電流が流れている為、微小電流の値がメーカー指定値を超えたりしている場合に、蓄電池寿命を大きく損なう恐れがある為時々監視する必要があります。

均等充電

均等充電は上記の浮動充電方式のものに採用されていて、浮動充電システムは充電装置に蓄電池を並列に接続する為蓄電池のセルごとの電圧にばらつきを生じやすい(制御弁式蓄電池を除く)。

この電圧のばらつき(電位差)を放置しておくと蓄電池に悪影響を及ぼすので、この各セルの電圧値のばらつきを均等化する目的(蓄電池の品質保持の目的)で均等充電を行います。

充電装置の供給電圧を通常より高くして(過充電状態)電圧の低いセルを規定電圧まで戻すのですが、すでに規定電圧になっているセルは水素ガスを多量に発生させる為、均等充電後は電解液のレベル確認を行って必要に応じて補水を行います。

均等充電の間隔は蓄電池メーカーや製品により異なるので、事前にメーカーなどに確認しておくのが望ましい。

例えば株式会社GSユアサさんのベント式据置鉛蓄電池(HSシリーズ)では少なくとも6か月に1回は均等充電を行うように記載してあります。詳しくはGSユアサさんのホームページでご確認ください。

株式会社 GSユアサのウェブサイトです。電池、電源装置、照明機器、特機およびその他の電気機器の事業を展開。

回復充電

消防法や建築基準法では、放電した蓄電池をなるべく早く満充電して次の停電に備えるといった決まりがあり、回復充電は放電して容量がなくなった蓄電池を急速に充電することをいい、充電装置からの供給電圧や電流を通常より高くして(過充電)蓄電池に大きな電力を供給して充電するものになります。

ただ、ずっと過充電をしていると蓄電池の破損につながるので、制御装置を介して満充電になったら電圧(電流)を下げて蓄電池を破損させない仕組みになっています。

充電方式

では充電をする仕組みについて解説していきます。

大きく分けて

  • 定電圧充電方式(CV方式)
  • 定電流充電方式(CC方式)
  • 定電流定電圧充電方式(CCCV方式)

があります。

定電圧充電方式(CV方式)

定電圧充電方式のグラフの例

定電圧充電方式のグラフの例

これは充電時に電圧を一定に保ち電流値を変動させて充電する方式で、回路構成や制御回路の設計が容易というメリットがあり広く用いられている充電方式になります。

蓄電池が放電し容量が無い場合には電流値が大きくなり、だんだん満充電に近づくと電流値は徐々に小さくなり最終的にはほぼ0になります。

充電初期段階において蓄電池の電圧が低すぎると充電電流値が過大になり蓄電池に悪影響を及ぼすことがあるので、充電初期はあまり充電電圧をかけないで、ある程度電圧が上昇したら規定充電電圧値へ上昇させる多段式充電方式を用いる充電装置もあります。

鉛蓄電池に多く採用されている充電方式になります。

定電流充電方式(CC方式)

定電圧充電方式のグラフの例

定電圧充電方式のグラフの例

これは上記の定電圧充電方式とは逆に、電流値を一定にして電圧値を回復させていく充電方式になり、こちらも充電回路構成や制御回路設計が容易なので、定電圧充電方式と同じく広く普及しています。

ただこの充電方式は定電圧充電方式に比べて急速充電ができる(満充電までの時間が短い)というメリットがあります。(充電量=時間×電流)

ただ、蓄電池が満充電になっても電流をかけ続けると蓄電池が破損する恐れがあるため、電圧値が一定値まで充電できたら充電を打ち切るか、制御回路にて満充電と判断させて充電電流を極小電流にさげて充電を行うことが必要になります。。

蓄電池が満充電になる事を判断する材料として蓄電池電圧の監視や蓄電池温度の監視があり、蓄電池が満充電直前になると電圧が少し下がるという特性を監視して制御する方式を―ΔV方式(マイナスデルタブイ)といい、蓄電池が満充電直前で温度が急上昇する特性を監視して制御する方式をdT/dt方式(絶対温度制御方式)といいます。

この充電方式は主にニッケル水素(Ni-MN)蓄電池やニッカド(Ni-cd)蓄電池に採用されています。

定電流定電圧充電方式(CCCV方式)

定電流定電圧充電方式のグラフの例

定電流定電圧充電方式のグラフの例

これは上記のCV方式やCC方式のいいとこどりの充電方式になり、充電初期はCC方式にて電流値を大きくして急速充電を行い、ある一定の電圧値になったらCV充電に切り替えて充電を行い最終的に満充電させる方式になります。

充電末期にCV充電に切り替わるので過充電になりにくく、急速充電できるというメリットがありますが、反面、制御回路が複雑になることや、過充電が重大な事故を発生させる恐れがある為、充電電圧値の精度要求が高くなるといったデメリットもあります。

主にリチウムイオン蓄電池に採用されていて、鉛蓄電池の一部にも採用されています。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は蓄電池の充電の種類と充電方式について解説させていただいて、蓄電池によって充電方式が異なることがわかりました。

鉛蓄電池では主に定電圧充電方式(一部で定電流定電圧充電方式)が採用され

ニッケル水素蓄電池なら定電流充電方式

リチウムイオン蓄電池なら定電流定電圧充電方式が採用されていることがわかりました。

均等充電と回復充電は、過充電をかけることは同じですが、目的が異なるので間違えないようにしましょう。

最後に私たちの身近にあるリチウムイオンバッテリーは、スマートフォンやノートパソコンなどに多く採用されていて

  • 小型だけど高密度で軽量
  • 自己放電が少ない
  • セル当たりの電圧が高い
  • 幅広い温度範囲で使用可能
  • 長寿命で信頼性も高い

など多くのメリットがありますが、エネルギー密度が高い反面、取り扱いを誤ると事故が発生しますので注意が必要です。

特に衝撃による発熱や過充電による発熱により発火・発煙する可能性がありますので、注意しましょう。

よくスマートフォンなどで負荷の多いゲームをしながら充電を行うとバッテリーがひどく熱くなりますが、この状態を続けると最終的にはバッテリーが壊れたり発火しますのでやめましょう。