収容人員の算定について

皆さんこんにちは。

消防用設備にも収容人員の算定は必要ですが(避難器具の設置個数設計に使ったり)、防火対象物点検でもこの収容人員を算定する部分が多くあり、また最近この収容人員の算定というキーワードでの検索も多いので、政令別表第一の用途ごとに説明したいと思います。

また、この収容人員の算定もそうですが、各消防本部等で取り扱いが異なる場合があります(収用人員等を規定している火災予防条例が各市町村で違うため)。◯◯消防本部では良かったけど、□□消防本部では指摘を受けたというのはよく有ることなので、この記事を参考にしていただきながら所轄消防本部に事前に相談に行きましょう。

また政令別表第一ってなんだっけ?って方はこちら(防火対象物とは?)

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算定する上での共通事項(補足)

収容人員の算定は消防法施行規則第1条の3にその基準が定められていますが、その規則によるほかに、勤務形態などに判定する場合に以下の共通事項を参考にしてください。

  1. 収容人員の算定は消防法第8条の適用にあっては棟単位であるが、消防法施行令第24条の適用にあっては棟単位又は階単位であり、消防法施行令第25条の適用にあっては階単位とする。
  2. 防火対象物の主たる用途に機能的に従属していると認められる部分(機能従属)についても、防火対象物の用途判定に従い消防法施行規則第1条の3の算定方法により算定する。
  3. 防火対象物の主要な用途に従属しているとみなされる部分(みなし従属)についても、防火対象物の用途判定に従い消防法施行規則第1条の3の算定方法により算定する。
  4. 収容人員の算定は、政令別表第一の17項に掲げる防火対象物を除き、原則として防火対象物の居室に出入りし、勤務し、居住する者の数について消防法施行規則第1条の3に規定する算定方法により算出すること。
  5. 従業員の取扱いは以下によること。
    1. 従業員の数は、正社員又は臨時社員などの区別にとらわれずに、平常時における最大勤務者の数とする。ただし、短期間かつ一時的に雇用される者は従業員の数には算定しない
    2. 交代勤務制度の場合は、従業員の数は通常の勤務時間帯における数とし、勤務時間帯の異なる従業員が重複して在所する交代時の数としてはいけない。ただし、引継ぎ以降も重複して就業する勤務体制の場合は、その合計とする。
    3. 指定された執務用の机などがある外勤者は従業員の数に算入する。
    4. 階単位で収容人員の算定をする場合にあっては、2以上の階で執務する者については当該階に指定された執務用のいすや机などがあり、継続的に執務するとみなされる場合には、それぞれの階の人員の数に算入する。
    5. 階単位で収容人員を算定する場合に、従業員が使用する社員食堂などは、その部分を3㎡で除した数の従業員がいるものとして算定する。ただし、その数が従業員の数よりも多い場合はこの限りではない。
  6. 収容人員を算定するにあたり、床面積の取扱いは以下によること。
    1. 単位面積当たりで除した際の小数点以下の数は切り捨てることとする。
    2. 廊下、階段、便所などは原則として収容人員算定の床面積に含めないものとする。
  7. 固定式のいす席とは構造的に固定されているもの、または設置されている場所が一定で固定的に使用され、かつ、移動が容易に出来ないソファーやいす席のものをいう。
  8. 以下に掲げる、床に固定されないいす席は固定式のいす席として取り扱う。
    1. ソファーなどのいす席。
    2. いす席の相互を連結したいす席。(折りたたみいすを除く場合あり)
    3. 常時同一場所において固定的に使用し、かつ容易に移動出来ないいす席。
    4. カウンターなどのいす席。

収容人員の算定方法(消防法施行規則第1条の3)

それでは、政令別表第一の用途ごとに収容人員の算定(計算)を説明していきます。

各算定計算において小数点以下の数値は、すべて切り捨てること。

政令別表第一 1項に掲げる防火対象物

  1. 従業員の人数。
  2. 客席の部分ごとに以下により算定した数の合計数。
    1. 固定式のいす席を使用する者の数。また長いすの席は、そのいす席の正面幅を0.4mで除した数。
    2. 立ち見席を設ける部分については、その部分の床面積を0.2㎡で除した数。ただし、通路の延長部分や出入口扉の回転部などは含まないこと。
    3. その他の部分(ます席、大入場などのすわり席、移動いすを使用する客席など)については、その部分の床面積を0.5㎡で除した数。

政令別表第一 2項と3項に掲げる防火対象物

(1)遊技場の場合は以下によること。

  1. 従業員の人数。
  2. 遊技の為の機械器具を使用して遊技を行うことができる者の数。
    1. パチンコ・スマートボールなどは1人、囲碁・将棋・チェス・ビリヤードなどは2人、マージャン卓は4人。
    2. ゲーム機械は、その機械を使用して遊べる者の数。
    3. ルーレットゲーム・ダーツなど人数に制限の無いものは、ゲーム台等の寄り付き部分(寄り付き部分が不鮮明の場合はゲーム台等の幅)0.5mにつき1人。
    4. その他遊技人数が明確に限定できるものはその数。
    5. その他遊技人数を算定出来ない場合は、競技卓・機械・盤の数。
    6. ボーリングは、レーンに附属するイスの数。
  3. 観覧や飲食、休憩の用に供する部分の固定式のいす席を使用できる者の数。また長いすの席は、そのいす席の正面幅を0.5mで除した数。

(2)遊技場以外の施設は以下によること。

  1. 従業員の人数。
  2. 客席の部分(飲食店にあっては待合の部分も含む)。
    1. 飲食・遊興・ダンスなどを行う客席部分に設けられる固定式のいす席を使用できる者の数。また長いすの席は、そのいす席の正面幅を0.5mで除した数。
    2. その他の客席(キャバレー・ライブハウスのステージ、ディスコ・ダンスホールのホール、料理店・料亭等の和室など)部分の床面積を3㎡で除した数。

政令別表第一 4項に掲げる防火対象物

  1. 従業員の人数。
  2. 以下に示す、主として従業員以外の者が使用する部分(社員食堂などの厚生施設や駐車場を除く)の数。
    1. 飲食・休憩の用に供する部分(喫煙場所や子供の遊び場などを含む)の床面積を3㎡で除した数。
    2. その他の部分(売り場内のショーケースなどの什器を置いてある部分も含む)の床面積を4㎡で除した数。

政令別表第一 5項に掲げる防火対象物

(1)5項(イ)に掲げる防火対象物

  1. 従業員の人数。
  2. 宿泊室が洋室の場合の算定は以下による。
    1. シングルベッド及びセミダブルベッドは1人、ダブルベッドは2人。
    2. 補助ベッドなどを使用できる場合には、そのベッドの数を加算する。
    3. 簡易宿泊所の棚状のベッドは、棚の数をベッド数とみなす。
  3. 宿泊室が和室の場合の算定は以下による。
    1. 簡易宿泊所や、主として団体客が宿泊するホテルや旅館(宿泊室の床面積をホテル・旅館が定めている当該宿泊室の最大使用人数、又は宿泊室に設置されている寝具の数で除して3㎡程度になるもの)は3㎡で、宿泊室ごとの床面積で除した数。
    2. それ以外のものは6㎡で、宿泊室ごとの床面積で除した数。
  4. 上記洋室と和室が併設されている宿泊室にあっては、それぞれの部分について算定された数を合算(それぞれの部分が同時に宿泊利用されない場合を除く)する。
  5. 集会・飲食(宴会場・レストラン・喫茶など)・休憩に使用される部分の算定は以下による。
    1. 固定式のいす席を使用できる者の数。また長いすの席は、そのいす席の正面幅を0.5mで除した数。
    2. その他の部分の床面積を3㎡で除した数。

(2)5項(ロ)に掲げる防火対象物

  1. 居住者の数とする。
  2. 新築・入居者の出入りが激しいなどで実態把握が困難な共同住宅などにあっては以下の要件により算定する。
    1. 住戸のタイプが1K・1DKの場合は1人。
    2. 住戸のタイプが1LDK・2DKの場合は2人。
    3. 住戸のタイプが2LDK・3DKの場合は3人。
    4. 住戸のタイプが3LDK・4DK・4LDK・5DK以上は4人。

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政令別表第一 6項に掲げる防火対象物

(1)6項(イ)に掲げる防火対象物

  1. 従業員の数(医師、歯科医師、助産師、薬剤師、看護師など)。
  2. 病室内にある病床の数を以下の要件で算出した数。
    1. 収容患者の病床ベッド(産婦人科病棟の未熟児を収容する保育器や乳児用ベッドを含む)の数。
    2. 和室の場合は通常の使用状態による収容患者数に対応する数。
  3. 待合室を使用する者の数については、以下の部分を3㎡で除した数とすること。
    1. 廊下に接続するロビー部分を待合として使用している場合はそのロビー部分の床面積。
    2. 待合室が廊下と兼用されている場合において、両側に居室がある場合には、廊下幅員から1.6mを引いた幅員で待合として使用する範囲の床面積。
    3. 待合室が廊下と兼用されている場合において、上記(b)以外の場合には、廊下幅員から1.2mを引いた幅員で待合として使用する範囲の床面積。
    4. 診察室内の待合に使用される部分の床面積。
    5. 見舞客などが利用する食堂。

(2)6項(ロ)・(ハ)に掲げる防火対象物

  1. 従業員の数。
  2. 老人・幼児・乳児・身体障害者・知的障害者その他の要保護者の数は以下により算出する。
    1. 就寝施設部分は、就寝施設を利用できる最大人数。
    2. 通所施設部分は、通所施設部分を担当する従業員で対応できると事業所側が想定している要保護者の最大人数。この場合において、最大人数と現状で対応している要保護者の数に隔たりが有る場合には実態に応じて算出した数とする。

(3)6項(ニ)に掲げる防火対象物

  1. 教職員の数。
  2. 現に在席する幼児・児童・生徒の数。

政令別表第一 7項に掲げる防火対象物

  1. 教職員の数。
  2. 現に在席する幼児・児童・生徒の数。

政令別表第一 8項に掲げる防火対象物

  1. 従業員の数
  2. 閲覧室(開架書庫の部分を除く。)、展示室、展覧室、会議室、休憩室(来館者が使用する喫茶室、喫煙コーナー等の部分を含む。)の床面積の合計を3㎡で除した数。

政令別表第一 9項に掲げる防火対象物

  1. 従業者の数 。
  2. 浴場、脱衣場、マッサージ室及び休憩に使用される部分(トレーニング室等のサービス室を含む。)の床面積の合計を3㎡で除した数。

政令別表第一 11項に掲げる防火対象物

  1. 従業者の数(牧師、僧侶、神職その他を含む)。
  2. 礼拝、集会又は休憩の用に供する部分(祭壇部分を除く。)の床面積の合計を3㎡で除した数。この場合において、礼拝の用に供する部分に固定式のいす席がある場合も、当該場所の床面積を3㎡で除して得た数とすること。

政令別表第一 10・12〜14項に掲げる防火対象物

  1. 従属的な業務に従事する者(食堂、売店の従業者等)を含めた従業者の数の合計とする。

政令別表第一 15項に掲げる防火対象物

  1. 従業者の数。
  2. 従業者以外の者の数は、従業者以外の者が使用する部分の床面積を3㎡で除した数とする。この場合において、駐車場、駐輪場、通路、便所、洗面所、シャワー室、ロッカールーム等は、床面積に含まない。

政令別表第一 16・16の2項に掲げる防火対象物

  1. 防火対象物内のそれぞれの用途ごとに人数を算出した数の合計とする。

政令別表第一 17項に掲げる防火対象物

  1. 床面積を5㎡で除した数。この場合において、建築物以外の工作物にあっては、収容人員は算定しないこと。
  2. 令別表第一備考第4号の規定を適用する場合は、みなすこととした用途の規定により算出した数。

工事中の建築物等に関する事項

令第1条の2第3項第2号に規定する収容人員の数は、次による。

(1)建基法第7条の6第1項第1号及び第18条第13項第1号に規定する「仮使用」の承認を受けた防火対象物は、次により求めた数の合計とすること

  1. 仮使用の承認を受けた部分は、令別表第一各項の用途の算定基準により算出した数。
  2. その他の部分は、工事に従事する者の数

(2)その他の防火対象物は、工事に従事する者の数とすること。

令第1条の2第3項第3号に規定する収容人員の数は、工事に従事する者の数とする。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。今回の収容人員の算定ですが意外にややこしいかと思いますので、遊技場(パチンコホール)を例に算定してみます。

  1. 遊技台はパチンコ300台、スロット100台の計400台。
  2. 食堂に固定式のいす席が40席、休憩スペースにソファー(長さ3m)が6脚。
  3. 従業員は交代制で早番が10人、遅番が12人。従業員食堂は無し。

と仮定して

  1. 遊技台の数=収容人員なので400台=400人
  2. 食堂に固定式のいす席が40席あるので収容人員40人、休憩スペースにソファーがあり長さが3mなので0.5mで割って1脚当たり6人の収容人員となり、6人✕6脚で36人。合計76人。
  3. 従業員は交代制で、平常時の最大人数(数の多い遅番の従業員数)なので収容人員12人になります。早番と遅番の重複する時間帯がありますが、収容人員の算定はこの重複する時間帯の数としてはいけないので、多い数が従業員の収容人員になります。ただし、早番が遅番の時間帯も勤務を継続する場合には早番と遅番の従業員の合計数になります。
  4. 廊下やトイレは収容人員の算定には考慮しない。

以上から収容人員は400+76+12で488人となります。

余談ですが、遊技場(特定防火対象物)で収容人員が300人を超えているので防火対象物点検(火災の予防上必要な事項等について点検を要する防火対象物)の対象になります。この防火対象物点検についてもおいおい記事にしていこうと思います。

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消防法第8条の適用

防火管理者を専任し、防火管理上必要な業務を行わせなければならない防火対象物を規定している部分。

消防法施行令第24条の適用

非常警報器具又は非常警報設備を設置しなければならない防火対象物を規定している部分。

消防法施行令第25条の適用

避難器具を設置しなければならない防火対象物を規定している部分。

消防法施行令第1条の2第3項第2号の規定

 新築の工事中の次に掲げる建築物で、収容人員が50人以上のもののうち、総務省令で定めるもの(外壁及び床又は屋根を有する部分が以下の(1)〜(3)のいずれかに定める規模以上の建築物であって電気工事などの工事中のもの)。

(1)地階を除く階数が十一以上で、かつ、延べ面積が一万平方メートル以上である建築物。
(2)延べ面積が五万平方メートル以上である建築物。
(3)地階の床面積の合計が五千平方メートル以上である建築物。

消防法施行令第1条の2第3項第3号の規定

建造中の旅客船(船舶安全法第8条に規定する旅客船をいう)で、収容人員が50人以上で、かつ、甲板数が11以上のもののうち、総務省令で定めるもの(進水後の旅客船であって、ぎ装中のもの)。