グランドパッキンの調整及び交換について

みなさんこんにちは。

先日屋内消火栓ポンプのグランドパッキンの交換をさせていただいたのでグランドパッキンの調整や交換についてお話させていただこうと思います。

ただ、ポンプのメーカーによってはこれからお話する内容と相違する場合があるかもしれないので、ポンプメーカーの指定の方法を確認していただくのも良いと思います。

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グランドパッキンとは?

グランドパッキンの例

グランドパッキン構成の例

グランドパッキンは、消火栓などのポンプケーシングの主軸が貫通する部分(スタフィングボックス)から加圧水を外に逃さない為に使用しているパッキンのことで軸封装置とも言い、重要な部品の一つで炭素繊維や炭化繊維でできています。

このパッキンをパッキン押さえで締め付けることにより主軸の表面を押し付けながら接触しシールしていて、徐々に摩耗し減っていくのでいずれは使用不能になりますからその時は新規交換が必要になります。

また仕切り弁などのバルブステムにもこのグランドパッキンを用いて仕切り弁の軸部分から加圧水が漏れないようにしています。

グランドパッキンの調整について

日々点検業務をおこなっている皆様もご存知かと思いますが調整方法についてお話させていただきます。

まずはポンプを回してもらい(回したら逃がし水が出ているか必ず確認する)、グランドパッキンからの漏水具合を確認しますが、大体1秒に1~2滴水滴が垂れるくらいが正常でありますので、この漏水具合が多い、又は少ない場合で以下になります。

漏水が多い場合。

①ポンプは回した状態で、パッキン抑えのナットを左右均等に約1/16回転~1/8回転締める。

パッキン押えのナット調整

パッキン押えは左右均等にする

②漏水はじわじわ減っていきますので、いきなりナットを締めすぎない。

③上記の漏水具合になるまで徐々にナットを締める。

④パッキン抑えがこれ以上絞まらなくなっても漏水がおさまらない場合はグランドパッキンがダメなのでグランドパッキンの交換になります。

漏水が少ない、又は無い場合。

この場合はグランドパッキンが焼き付く可能性があるので、ポンプは止めた状態で調整します。

①パッキン抑えのナットを左右均等に約1/16~1/8回転緩める。

②ナットを緩めてもパッキン抑えが動かない(スタフィンボックスにくっついているなど)場合はパッキン抑えをこじって動くようにする。

パッキン押え固着解除の例

③ナットを緩めパッキン抑えが緩んだらポンプを回してグランドパッキンから漏水があるか確認する。

④ナットを緩めても漏水がはじまらない(パッキン抑えがカタカタ動く状態)場合はグランドパッキンが劣化してダメなのでグランドパッキンの交換になります。

⑤グランドパッキンは主軸と常に接していてすり減ったりしていずれはダメになります(経年劣化もありますが)ので交換が必要になります。

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グランドパッキンの交換について

ではグランドパッキンの交換はどのようにすればよいのでしょうか?

交換は既設のグランドパッキンを取り除いて新しいグランドパッキンを取り付ける作業になりますが、このときのポイントをお話させていただきます。

また、交換の際にはポンプの誤起動を防止するためにポンプ制御盤内のメインブレーカーを遮断しておきましょう。

パッキンの取り外し

グランドパッキン交換の例

既設のグランドパッキンはパッキン抑えのナットを外してパッキン押えを外せば見えますが、交換が必要なパッキンは多分カチカチになっていて取り外すのも大変です。

グランドパッキンを外すとポンプケーシング内の水が出てきますのであらかじめポンプケーシング内の水を抜いておく必要があります。

で、このカチカチのグランドパッキンをほじくりだすのですが、細くて固くて尖ったもの(千枚通しなど)でパッキンを取り出します。

もちろんグランドパッキン交換専用の治具がありますのでそちらを使っていただくのが作業的にはやり易いと思います。

グランドパッキンは片側に3~5枚入っています(ポンプの大きさなどにより変わる)ので、既設のパッキンの取り忘れがないかよく確認しましょう。

パッキンの取り付け

両側のグランドパッキンが外れたら新しいパッキンを取り付けていきますが、ここでもポイントがあるのでお話させていただきます。

パッキンを入れるときはなるべくパッキン全体を均等に入れていきます。

これはパッキンの一部分だけをグッと入れてしまうと、パッキンの形(四角い断面)が崩れてしまいやすく正常な状態での挿入ができませんので気を付けましょう。

グランドパッキン交換専用治具にはパッキンを均等に奥まで入れられる治具もありますので、やはり専用治具があるほうが作業は楽です。

あと、パッキンは複数枚いれますので、このときのパッキンの切りかきの挿入方向(向き)もポイントがあります。

下図のようにパッキンの切りかきの向きを90度または120度ずらして挿入します。

パッキン挿入の例(90°)

パッキンの挿入例(120°)

ポンプの両側に規定枚数のパッキンが挿入できたらパッキン抑えを戻します。

パッキン抑えをナットにて締めていきますが、まずは手締め(指先で締められるだけ締める)をします。

手締めできたらポンプケーシング内に充水してポンプの運転準備を行ってからポンプを起動します。

ポンプを回すとグランドパッキンから水がジョロジョロでてくると思いますが、慌てずにゆっくりとパッキン抑えのナットをスパナ等で上記の方法で適正な状態になるまで締めていき、両側のパッキンの調整が出来たら交換は終了です。

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

今回は消火栓などのポンプに使われているグランドパッキンのことについてお話させていただきました。

パッキンの調整はパッキン抑えのナットを締めたり緩めたりして調整を行い、交換はパッキンをほじくりだして新しいパッキンを均等に入れてあとは調整して終わりという流れになります。

ただ、だれでもできるような作業ですが、消防用設備等に使用するポンプのグランドパッキンの交換については整備に該当(軽微な整備ではない)し、消防設備士の独占業務になりますので交換を行う際には気をつけましょう。

軽微な整備については下記の記事を参照してください。

皆さんこんにちは。 以前の記事で工事と整備の違いに関して軽く説明させていただきましたが、あまりにもサラッとしすぎていて良くわからない部分があるので今回はより詳しく説明していこうと思います。 ...