有時の際にエレベーターはどう動くのか?

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皆さんこんにちは。

よく「有事の際にはエレベーターを使用しないでください」と言われますが、あれにはちゃんと理由があるのをご存知ですか?

この記事ではその理由について解説していきます。

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結論として

結論から言うと「使わないでください」ではなく「使えない状態」になります。

後述しますが、エレベーターは火災でも地震でも管制※1が入りエレベーターが使えない状態になり、避難には使用できなくなりますので階段など他の経路にて避難する必要があります。

一部の高層建築物には非常用エレベーターがあり、これは有事の際にも使用することができますが特殊な操作及び鍵が必要になるのでこれも一般の方が避難に使用することはできません。

 

火災の際にはどうなるのか?

では実際に火災でエレベーターに管制が入るとどうなるのでしょうか?

まず火災を感知するのは自動火災報知設備の感知器(又は発信機)で、感知器が火災を感知すると自動火災報知設備が非常ベル等で火災を在館者に報知しますが、これと同時に各種設備に火災移報信号※2を出して警備会社やエレベーター、非常錠やパニックオープンなどの機器を動作させます。

エレベーターがこの火災移報信号を受信すると火災管制モードに入り、カゴが避難階※3へ自動的に動いて乗客へ避難を促します。

このエレベーター火災管制は自動火災報知設備を復旧させた後に、エレベーター側でも復旧操作をする必要がある(自動復旧の場合もある)ので、自動火災報知設備が作動したら(誤作動でも)エレベーターは使えなくなります(一部例外あり)。

 

非常用エレベーターとは?

前述した非常用エレベーターですが、建築基準法により高さ31mを超える建築物に設置が義務付けられているもので、火災が発生した場合でも消防隊が円滑に、かつ安全に消火活動を行える様に非常用エレベーターの出入口(乗降ロビー)が附室※4になっています。

またその附室には消防隊が使用する設備(連結送水管、非常用コンセントなど)が設置されていて、そのロビーを拠点として消火活動が行えるようになっています。

この非常用エレベーターは火災管制発生時には避難階へ自動的に移動して乗客に避難を促しますが、火災管制時でも消防隊が消火活動の為にカゴを自由に制御できる非常運転モード(一次消防運転や二次消防運転)を兼ね備えていて、非常用エレベーターを消防隊最優先で使用することができますが、この非常運転モードに切り替えるには専用のカギ(又は特殊な操作)が必要になるので通常は切り替えることができません。

ちなみに非常運転モード(一次消防運転や二次消防運転)に切り替わると、ロビーからのエレベーターの呼び出しが出来なくなりカゴ内の行先操作が優先され、その他にも重量オーバーのセンサーといったいくつかの安全装置を無効化したり、エレベーターのドアが閉まっていない状態でもカゴを動かせるといった操作が可能になります。

 

地震の際にはどうなるのか?

地震の場合にはエレベーター機械室などに設置されている「感震器」と呼ばれる装置が揺れを感知し、その揺れ具合によりエレベーターを停止させたりします。

揺れ具合にもよりますが地震が発生する(地震管制になる)とカゴは最寄り階に自動的に移動して乗客に避難を促します。

この感震器(地震感知器)には機械式と電子式があり

  • 機械式感震器は電源不要で磁力を用いて地震の揺れを感知する方式
  • 電子式感震器はセンサーを用いて地震の初期振動(P波)から感知して本震(S波)が来る前にカゴを最寄り階へ移動して乗客に避難を促す

上記の様な仕様になっています。

地震によりエレベーターが停止した場合はメーカーにもよりますが、自動復旧して運転再開するものもありますし、エンジニアが現地確認しないと運転再開しないものがあります。

 

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

今回は火災や地震などの際にエレベーターは使わないでくださいというのには理由がありますという事を解説いたしましたけど、エレベーターが使えなくなる理由まではなかなか知らないのではないでしょうか?

解説した通り火災発生の場合は自動火災報知設備からの信号によりエレベーターは避難階で停止して動かなくなります(自動火災報知設備の誤作動も含む)。

非常用エレベーターは火災管制時でも非常運転モードで使うことができますが、特殊な操作(又は専用の鍵)が必要になるので一般の方が避難に使うことはできません。

地震の際にはエレベーターの感震器が働いて最寄り階で停止して避難を促す仕様になっています。

普段何気なく使っているエレベーターですが、有事の際には利用者の安全を最優先に設計しているものであると言うことがわかりましたので、エレベーターのボタンは優しく押してあげましょう。

 

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※1 管制…危険を予防するために、又はある種の行動に対し、強制的に管理・制御・制限することをいう

※2 火災移報信号…火災発生の信号を他設備に送ることをいう

※3 避難階…避難に使用する階のことで通常は1階になりますが建物によっては他の階の場合もあります。

※4 附室…排煙設備や吸気設備(防排煙設備という)を兼ね備えた煙が入りにくいように防火戸(防火設備という)などで区間された構造の部屋のこと、非常用照明もあり停電でも照明が点灯する