受信機停止におけるKYについて

皆さんこんにちわ。

今回は筆者の周りでも話題になっている消防用設備の点検における作業前KY(危険予知活動)についてお話いたします。

いろいろあるKY活動の中でも特に「自火報受信機停止におけるKY」についてお話していこうと思います。

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危険予知活動って?

そもそもこの危険予知活動(略してKY)というものですが、これから起こりうる危険(事故や傷病など)についてあらかじめ予測し、それに対しての対策を講じることにより危険を回避するというものになります。

例えば、「消防用設備点検(誘導灯)において脚立を使用する」という活動に対して起こりうる危険を考えます。

  1. 作業者が脚立の上でふらついて脚立が傾き脚立から転落する
  2. 脚立を立てたまま仮置きしたら突風で隣にあった自動車に当たり傷ができた
  3. 脚立を仮置きしたら脚立につまずいて転倒する
  4. 長い脚立を起こしたら天井の照明にぶつかり蛍光灯が破損する

これらのような危険があるということを予測して個々に対策を考えます。

  1. 作業者が転落しないように補助者が脚立を支える
  2. 突風で脚立が倒れないようにあらかじめ寝かしておく
  3. 歩行者がつまづかない位置に仮置きする(カラーコーンやトラバーで注意喚起)
  4. 長い脚立を起こすときは複数人で合図をかけながらゆっくり起こす

といった対策を講じて作業における危険を事前につぶしておくという活動になります。

もちろん高所作業になりうるのでヘルメット着用や、安全帯着用&使用も視野に入れます。

ではこれらを自火報受信機を停止するというのを前提に考えていきたいと思います。

受信機停止時のKY

では自火報受信機を停止(作業モードや施工モード)をする際に起こりうる危険について考えていきましょう。

例えば

  • 地区音響(ベルなど)を停止したつもりが止まっていない(強制停止ではなく一時停止になっている)
  • 主音響停止したつもりが止まっていない
  • 保守モード(地区音響強制停止)にするとブザーが鳴ってしまう(特に能美防災製やニッタン製)
  • 警備会社への移報停止したつもりが止まっていない(火災代表が移報遮断できない等)
  • 試験復旧では煙感知器が復旧しないので発報しっぱなしになりパンクする(古い受信機にありがち)
  • 連動制御盤組み込みの受信機で連動停止したつもりが停止していない(連動用感知器作動でシャッター降下)
  • パニックオープンが連動しているが連動していることに気が付かない(自動ドアが開きっぱなしになってしまう)
  • 地区音響停止レバーではなく地区音響一斉鳴動レバーを下げてしまう

などがあります。

筆者も点検等で受信機を停止する際には指差呼称でそれぞれ停止(遮断)を確認します。

それだけ停止した「つもり」は日常的に起こりやすく、特にP型受信機で多く見受けられます。

R型受信機(特にホーチキ製)では、施工モードに入った瞬間にほぼすべての連動や移報が遮断になり、音響(主音響や地区音響など)も一斉に強制停止しますので、P型受信機みたいに個々に停止をかけなくても良いようになっていますので楽です。

ただ、すべての防火対象物が上記のように受信機停止作業が楽にできるかというと、そんなことはなくて、ひどい受信機になると内部リレーを外して、移報線を離線して、電源線(I+など)を外してなどと、一筋縄ではいかない停止作業の場合もありますので点検者としてはなかなか骨の折れる作業になります(特に初回点検時)。

もちろん前任者がすべての停止に関わる作業(離線など)を調べつくしていて、それを台帳などに記載してマニュアル化していれば停止作業もスムーズですが、そこまでマニュアル化している事業所もなかなかないのではと思います。

そこで受信機停止における代表的なKY項目を確認していきましょう。

危険予知するべき項目

では初回点検時や点検初心者が受信機を停止するのにどこを気を付ければ良いのでしょうか?

代表的な項目について考察していきます。

まず大前提として

  • 主音響が鳴らないようにする
  • 地区音響(ベルやサイレン)が鳴らないようにする
  • 地区音響強制停止のブザーが鳴らないようにする(場合によって)
  • 警備会社への火災信号停止(移報停止)が確実か?
  • 防排煙(防火戸や防火シャッターなど)への連動停止(防排煙組込の受信機の場合)

この様な項目があると思います。

これらの項目は盤面のボタンやレバーを操作すれば停止作業が行えますが、上記でもお話した「地区音響強制停止したつもりが一時停止」という事態もありますので、良く確認しましょう。

例えば、地区音響停止レバーの上部に赤色LEDがあり、点滅で強制停止で、点灯で一時停止となっていれば、LEDの確認をすれば良いことになります。

受信機の一例

また上記の写真の様に地区音響強制(完全)停止のランプが専用で点灯(点滅)する受信機なら停止状態が一目瞭然になりますので安心できます。

後、地区音響停止のブザー(1分おきに鳴るブザー)については特に能美防災製とニッタン製の受信機は注意が必要です。

静かなオフィスで地区音響停止したら、けたたましいブザーが鳴ってクレームになる…というのは珍しくありません。

対策として、能美防災製はブザーの所に緩衝材を設置してブザー音を鈍くする(あとは〇〇を抜いて対策)、ニッタン製なら保守モードに入れないでベル線を抜いて作業するなどの対策があります。

これらの対策は受信機のモデルや年式により異なりますが覚えておいて損はありません。

警備会社への信号遮断は受信機のモデル等々や結線状態により遮断できたりできなかったりするので、あらかじめ連絡を入れておくのが良いと思います。

連絡しないで信号がでてしまうより、連絡しておいて信号が出ないほうが精神的に楽ですので面倒ではありますが警備会社への連絡は密にしましょう。

その他気を付けるべき項目

上記のような代表的な項目ではなくて、防火対象物によりあったりなかったりする項目についても気を付ける項目があります。

例えば

  • 火災通報装置が連動している
  • 排煙口と排煙機がある
  • 排煙ダンパーがある
  • 電気錠がある
  • パニックオープンがある
  • キュービクルと連動している
  • ガス系消火設備が連動している
  • 誘導灯信号装置が連動している
  • 非常放送と連動している

などがあります。

では上記の装置等が受信機と絡んでいるか?(連動しているか?)を確認するにはどうすればようでしょうか?

例えば

①防火対象物に入ってふと上を見たら排煙口がありました、この排煙口は受信機に絡んでいるか?は、受信機の地区表示窓を見て「1階〇〇排煙口」などと表示があれば受信機をくぐっていることがわかります(受信機側で排煙機の連動停止ができるかもしれません)。

逆に受信機に排煙口の地区窓が見当たらない場合は受信機はくぐっていないで、排煙口と排煙機が直結になっていますので、排煙口を開けると即排煙機起動になります。

②防火対象物に設置してある誘導灯が消灯式や点滅式(フラッシュ)、音声式であれば間違いなく誘導灯信号装置があります。なぜなら、火災信号をもらって点滅したり音声発声したりするからです。また誘導灯のすぐそばに誘導灯専用感知器があったりしますのでそれでも確認することができます。

③受信機の扉を開けて中を見てみて「EFとECに線が入っているからこれは非常放送連動だな」と配線を追っかけてみるのもできますが、これは少々知恵がないとできないので敷居が高いところですが、下記の写真の様にリレーに入っている配線がどこの何に行っている線か明記してくれれば非常に助かりますね。

ちなみに上記写真の様にリレーに入っている連動を遮断するのに良くリレーを抜いたりしますが、抜く場合は良く確認しましょう。

万が一、リレーにつながっている連動先がB接点(ノーマルクローズ)の場合はリレー抜くと作動してしまいますので良く確認してからリレー抜きましょう(特に誘導灯信号装置)。

リレーについて詳しくは下記の記事を参照してください。

この記事では、消防用設備(自火報)におけるリレー(継電器)の活用についてお話しています。基本的な接続方法の紹介と動画での説明を行っていますので、リレーについて学びたい方はどうぞご覧ください。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は自火報受信機停止に対するKY活動についてお話させていただきました。

筆者も初回点検を行う防火対象物や、得体のしれないリレー(連動先不明)を組んである受信機を停止する際には非常に気を使いますが、それは皆さんも一緒かと思います。

ですが上記でお話した通り、排煙口があるけど排煙機が起動するとまずいから確認がしっかりとれるまでは排煙機は電源遮断しておこうとかのとりあえずの対策は出来ると思います。

そして調査を行い排煙機は○○すると起動するねという確認が取れれば良い(排煙機の電源復旧を行う)のでそういった意味でも初回点検は非常に重要です。

後々になって不具合の指摘をあげたいけどいまさら…となることがありますので、初回で蟻一匹すら見逃さないくらい隅々まで確認するのが良いでしょう。

話がそれましたが、上記の受信機停止に関わらずすべての作業における作業前KYも蟻一匹見逃さないくらいの危険予知と対策ができれば、建設業においてよくある災害「転倒」「切傷」「墜落」等が防げるのではないでしょうか。

みんなで作ろうみんなの安全、今日もゼロ災ヨシ!