屋内消火栓設備の設置基準

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皆さんこんにちわ。

今回は屋内消火栓設備の設置基準について

  • 防火対象物の用途と延べ面積による設置基準
  • 設置基準の緩和規定(倍読みと防火上有効な措置が講じられた構造の部分)
  • 耐火構造と準耐火構造の簡単な違いについて
  • 内装制限について簡略に
  • 各消火栓の設置上の技術基準について
  • 屋内消火栓設備の設置を免除できる場合の要件について

上記の内容を解説していこうと思います。

 

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設置基準について

屋内消火栓の設置基準(防火対象物又はその用途に屋内消火栓設備の設置が必要か否か)は他の消防用設備等と同じく防火対象物(又は用途)とその述べ面積により区分されていますので一覧表を基に解説していきます。

屋内消火栓設備の設置基準表

ちなみに上表のしゃせんの部分(13項など)には設置不可(又は該当しない)という意味になります。

上表の延べ面積による設置条件を要約すると、延べ面積が500㎡or700㎡or1000㎡以上になると設置義務が発生し、1項(劇場や公会堂)だけは延べ面積500㎡で設置義務があります。

延べ面積による設置条件の他に「地階」「無窓階」「4階以上の階」という条件があり、これらは該当階の床面積が基準以上だと設置義務が生じるというもので、例えば(12)項イ(工場等)に地下階があったとして、その床面積が150㎡以上なら延べ面積が700㎡未満であったとしても屋内消火栓の設置が必要になります。

またこの他にも危険物施設や指定可燃物(750倍以上貯蔵・取扱う場合)への設置条件もあり、水を嫌う危険物以外の危険物等(可燃性液体類や禁水性物質など)への設置が出来ますので詳しくは下記の記事を参照してください(一部例外あり)。

 

設置基準の緩和(倍読み)規定について

上表の面積の部分にかっこ書きの数値がありますが、これは防火対象物の構造により設置基準を緩和することができる(倍読み規定という)というものになります。

上表の備考に記載のある「主要構造部」とは柱・床・壁・はり・屋根・階段などの事を指し、消防用設備等において防火対象物の主要構造部は非常に重要な要素で、屋内消火栓設備を設置しようとする防火対象物の主要構造部が耐火構造や準耐火構造の場合に上記の倍読み規定を使用することができます。

これは耐火構造や準耐火構造であれば万が一火災が発生しても延焼を抑えられる構造になっているので簡単に言えば「燃えにくい構造だから設置基準緩和してもいいよね」ということになりますが、一方、その他造(木造など)であれば万が一の火災の場合に延焼速度が耐火構造などに比べて早いので「例え建物が小さくても消火栓が必要だよね」ということになり、一定の構造であれば設置を緩和しますよという規定になります。

ではこの「耐火構造」と「準耐火構造」の違いについて見ていきましょう。

 

耐火構造と準耐火構造の違いについて

では「耐火構造」と「準耐火構造」の違いについて簡略にお話します。

耐火構造とは建築基準法第2条第7号に規定があり

壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

とされており、定められている壁や床などが一定の耐火性能を有している構造のことを指し、建物の階数や構造によりことなりますが不燃材料(鉄筋コンクリートやレンガ、コンクリートブロックや鉄骨に耐火被覆など)を用いて最長3時間火災に耐えうる性能を有しています。

 

準耐火構造とは建築基準法第2条第7号の2に規定があり

壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能(通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。第九号の三ロにおいて同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

とされており、上記の耐火構造よりも緩やかな基準になっていますが、一定の耐火性能があり、主要構造部に不燃材料や準不燃材料を用いて最長1時間火災により部材の強度が弱まってしまったり、あるいは火災が延焼しないことなどの性能を有しています。

 

内装制限について

内装制限とは建物で火災が発生した場合に内装(壁紙やクロスなど)が激しく燃焼して有毒ガスを発生したり延焼を促進したりして避難や消火活動に支障が出ない様に、不燃材や難燃材などの燃えにくい材料を使用することにより内装材料への火災の延焼を遅らせて避難及び消火活動が有効に行えるようにしている規制になります。

ちなみに内装制限の対象は「壁」と「天井」で、「床」は対象ではありません

建築基準法における内装制限は、建築物の用途(特殊建築物など)や規模(床面積や階層)により内装制限の可否及び使用材料(難燃材や準不燃材など)が決まり、例えば飲食店における内装制限であれば

  • 「居室」の壁と天井部分であれば「難燃以上」※1※2
  • 「通路・階段等」の壁及び天井であれば「準不燃以上」※2

※1…居室が3階以上にあれば「準不燃以上」
※2…壁について床面上1.2m以下の部分は該当しない

となっていますが、消防法の内装制限と、建築基準法の内装制限は違うので注意が必要です。

例えば建築基準法では壁について床面上1.2m以下は該当しないになっていますが、消防法はこの「床面上1.2m以下」の部分まで内装制限を規定しています。

 

設置基準表の★における緩和規定について

上記の設置基準表の★部分(政令別表第一の(6)項・イ(1)(2)及びロ)について、通常の緩和規定(倍読み規定)とはまた違った緩和規定がありますので解説していきます。

令12-1-1に掲げる防火対象物(6項イ(1)及び(2)並びにロで規12の2で規定する火災発生時の延焼を抑制する構造を有するもの以外のもの)については当該数値(1400or2100)又は1000㎡に規13の5の2に規定する「防火上有効な措置が講じられた構造を有する部分」の床面積の合計を加えた数値のうち、いずれか小さい数値

また難解な法令文章なので要約すると

  1. 「令12-1-1に掲げる防火対象物」は消防法施行令第12条第1項第1号のスプリンクラー設備の設置を要する防火対象物又はその部分のことを指します
  2. カッコ内の「6項イ(1)及び(2)並びにロで規12の2で規定する火災発生時の延焼を抑制する構造を有するもの以外のもの」は、消防法施行規則第12条第2項の「スプリンクラー設備の設置を要しない構造(延焼抑制構造)」以外の部分のことを指します
  3. 当該数値1400or2100は「倍読み規定」の部分です。
  4. 規13の5の2に規定する「防火上有効な措置が講じられた構造を有する部分」の部分は、消防法施行規則第13条第5項第2号に規定する「防火上有効な措置が講じられた構造を有する部分」のことを指し、この面積に1000㎡を加えた数値のどちらか少ない数値で緩和できる規定になります。

上記4番の数値について、「防火上有効な措置が講じられた構造を有する部分」に1000㎡を足した数値が延べ面積より大きければ屋内消火栓の設置は免除という規定です。

例えば、準耐火構造+内装制限であれば1400㎡以上で設置義務が発生するとして、もう一方の緩和措置で計算したときに「防火上有効な措置が講じられた構造を有する部分」が500㎡あるとして、その面積に1000㎡を加算できるので、屋内消火栓設置基準面積は1500㎡になります。

ただ、「いずれか小さい数値」となっているので最大で1400㎡又は2100㎡までとなります。

「防火上有効な措置が講じられた構造を有する部分」について詳しくは下記の記事を参照してください。

 

屋内消火栓の設置上の技術基準

屋内消火栓には「1号消火栓」「易操作1号消火栓」「2号消火栓」「広範囲型2号消火栓」があり、それぞれに設置上の技術基準がありますのでそれぞれ解説していきます。

1号消火栓

主に倉庫や工場、指定可燃物を含む色々な用途に用いられる消火栓で、放水能力が優れている反面、取扱い・操作方法に技術が必要であり2人以上いないと使用できません。

水平距離放水量放水圧力ホースの長さ水源水量
25m以下130ℓ/分以上0.17Mpa以上25m2.6㎥×消火栓設置個数(最大2個=5.2㎥)

 

易操作1号消火栓

いろいろな防火対象物に設置される消火栓で、保形ホースを用いることにより放水量は1号消火栓そのままに1人でも取扱・操作ができる消火栓になります。

水平距離放水量放水圧力ホースの長さ水源水量
25m以下130ℓ/分以上0.17Mpa以上25m2.6㎥×消火栓設置個数(最大2個=5.2㎥)

 

2号消火栓

主にホテルや商業施設、福祉施設などに用いられていて、だれでも取扱いやすく1人で簡単に操作ができるが放水量はそんなに多くない消火栓になります。

水平距離放水量放水圧力ホースの長さ水源水量
15m以下60ℓ/分以上0.25Mpa以上15m1.2㎥×消火栓設置個数(最大2個=2.4㎥)

 

広範囲型2号消火栓

最近誕生した消火栓で、水平距離は1号消火栓そのままに2号消火栓と同様の操作性で使用することができる良い所取りの消火栓です。

水平距離放水量放水圧力ホースの長さ水源水量
25m以下80ℓ/分0.17Mpa以上25m1.6㎥×消火栓設置個数(最大2個=3.2㎥)

 

上記の消火栓は通常壁面に設置しますが、最近では天井に設置できるものもあり、その場合は天井に格納されている消火栓ホースを降下させる為の装置を起動装置(ボタン)にて起動させてホースを降下及びバルブが自動的に開いてすぐに消火活動が行える消火栓も存在します。

 

屋内消火栓の設置を免除できる場合

上記で解説した屋内消火栓の設置基準に該当しているが、設置を免除することができる場合がありますので解説していきます。

まず基本として

屋内消火栓に代わる消火設備が設置されている

という前提があり、例えばスプリンクラー設備が技術上の基準に従い防火対象物(またはその部分)に設置されている場合(スプリンクラーヘッドの設置を要しない部分には補助散水栓にて警戒する等)にはその有効範囲内には屋内消火栓を設置しないことができるとされています。

スプリンクラー設備以外にも水噴霧・泡・不活性ガス・ハロン・粉末消火設備・屋外消火栓※1や動力消防ポンプ※1でもその有効範囲内には屋内消火栓を設置しないことができます。

※1:1階及び2階の部分に限る

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は屋内消火栓の設置基準について解説しましたが、まとめると

  • 設置の基準になるのは防火対象物(または用途)の延べ面積、または一般階以外の階の床面積が一定以上になると設置が必要になる
  • 防火対象物の構造(耐火構造など)により緩和規定がある(倍読み規定など)
  • 内装制限には建築基準法と消防法で多少の差異がある
  • 屋内消火栓には種類があり、それぞれ基準がある
  • 屋内消火栓の設置を免除できる場合がある

以上になります。

この記事の内容である設置基準の他に「設置上の技術基準」というものがあり、

  • 加圧送水装置の起動に用いる遠隔起動装置の直近に赤色の表示灯を設ける
  • 使用する配管は指定のもの(JIS G3452 配管用炭素鋼管など)を使用する
  • 配管の接続は指定の方法(ねじ込みやフランジ、溶接など)にて施工する

などの細かい基準もありますので設置基準と一緒に目を通したい内容になっています。