非常電源(自家発電設備)の点検要領 その1

皆さんこんにちわ。

今回は非常電源のひとつである自家発電設備の点検要領についてお話させていただきます。

いつもどおり各点検票(その1、その2…)の書式に従って説明していきます。

この記事では点検票 その1(機器点検)の部分になります。

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点検を行うにあたっての留意事項

  • 非常電源として設置されている自家発電設備は電気事業法の自家用電気工作物としての適用を受けるので、その点検にあたっては当該施設に専任された電気主任技術者の立ち会いのもと行うのが望ましい。
    また、電気事業法の保安規程に基づく維持管理も必要なため、この点検と同時に行える様に計画するのが望ましい。
  • 総合点検における運転性能の確認(負荷運転や内部観察等)については、自家発電設備の点検及び整備について必要な知識及び技能を有する者(自家用発電設備専門技術者など)が実施することが適当であること。
    また、点検結果のデータ等を示す書類を添付することが望ましい。
  • 総合点検における運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられていることを示す書類の例としては別添1の表が考えられる。

点検票 その1

設置状況

キュービクル式以外の自家発電設備の例

周囲の状況

    1. 下記の表の保安距離があるかを確認します。
    2. キュービクル式自家発電設備はその前面に1m以上の幅の空地があるか確認します。
    3. キュービクル式自家発電設備を屋外に設置する場合に、キュービクル式以外の非常電源専用受電設備・蓄電池設備及び建築物等から1m以上の距離があるか確認します。
    4. キュービクル式以外の自家発電設備を屋外又は主要構造部を耐火構造とした建築物の屋上に設ける場合は、隣接する建築物若しくは工作物から3m以上の水平距離があるか確認します。
      ただし、隣接する建築物又は工作物の部分が不燃材料で造られ、かつ建築物の開口部に防火戸その他の防火設備が設けられている場合には3m未満の水平距離で良い。
    5. キュービクル式以外の自家発電設備を室内に設置する場合には不燃専用室に設置されていること。
    6. 上記1.で規程する保安距離及び上記2.で規程する空地距離に点検上及び使用上障害となる物品が置かれていないことを確認します。
    7. 不燃専用室には上記6.で規程するものの他に、火災の発生する恐れのある設備や火災拡大の恐れのある可燃物が置かれていないか確認します。

必要な保安距離とその部分

区画等

    1. 発電機室(不燃専用室)の区画、防火戸等に変形、破損、き裂、脱落などがないか確認します。
    2. キュービクル式自家発電設備にあっては、キュービクルの外箱、扉、換気口などに著しい変形や破損がないか確認します。
    3. 屋外用キュービクル式自家発電設備にあっては、換気口に目づまりがなく雨水等の侵入防止装置に変形や破損がないか確認します。
    4. 発電機室(不燃専用室)に設置されているIビーム、チェーンブロック等に、さび、取付ボルトの緩みなどがなく、作動部の動きが円滑であるか確認します。

水の浸透

発電機室(不燃専用室)やキュービクル内部に、水の浸透や水たまり、冷却水配管などからの液漏れがないか確認します。

換気

発電機室(不燃専用室)やキュービクルの自然換気口の開口部の状況又は機械換気装置の運転が正常であるか確認します。

照明

自家発電設備の使用上及び点検上に支障がない位置に設置されており、正常に点灯するか確認します。

標識

下記に示す標識に汚損や破損などがなく見やすい状態に取付られているか確認します。

    • 発電設備
    • 少量危険物貯蔵取扱所(該当する場合のみ)

表示

    1. 自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)に示されている表示が見やすい位置になされているか確認します。
    2. 自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)に適合するもの、又は総務大臣又は消防庁長官が登録を行った登録認定機関の認定証票が貼付されているか確認します。
    3. 自家発電設備始動用蓄電池設備に「自家発電設備始動用」の表示がされているか確認します。(該当する場合のみ)

自家発電装置

(原動機と発電機を連結したものをいう)

原動機及び発電機

    1. 原動機及び原動機付属の機器類に変形、破損、脱落、漏れ、腐食などがなく、取付状態が正常であることを確認します。
    2. 発電機出力端子、保護カバー等に変形、破損、腐食などがないか確認します。
    3. 発電機の巻線部及び導電部周辺にじんあい、油脂などによる汚損がなく、周辺が乾燥状態にあるか確認します。
    4. 発電機のスペースヒータ及び回路に断線、過熱などがないか確認します。

※ 発電機の巻線部及び導電部周辺に汚損がある場合は、圧縮空気、真空掃除機等を使用して清掃すること。

冷却装置

・ラジエータ・配管等

    1. ラジエータ本体に変形、破損、腐食、漏水などがないか確認します。
    2. ラジエータ内部に汚損、つまりなどがないか確認します。
    3. 冷却水に著しい汚れ又は腐敗等がなく、所定の水量があるか確認します。

※ラジエータ内部確認においてラジエータキャップを開ける場合に、ラジエータが熱い状態で開けると冷却水が噴出するのでラジエータが冷めてからキャップを開けること。

※ラジエータ内部に汚れがある場合は内部洗浄を指示すること。洗浄の方法は、ラジエータ内に洗浄剤を添加し、所定時間洗浄運転を行い、排水の上、新しい冷却水を給水する。

・冷却ファン

冷却ファンに変形、破損、腐食及びファン駆動用Ⅴベルトに緩み、破損やヒビなどがなく、円滑に駆動することを確認します。

潤滑油類

①以下の箇所の油量が、規定量満たされているか確認します。

    1. 原動機の油受け(オイルパン)
    2. 過給機
    3. 調速機
    4. 燃料ポンプ
    5. 発電機の軸受け

②発電機の軸受油脂に規定のものが使用され、規定量満たされているか確認します。

③製造者の指定する銘柄及び粘度のものが使用され、著しい汚れ、変質、漏れ等がなく、軽油、灯油等による著しい希釈がないことを確認します。

※ 製造者の指定する種類、銘柄等と異なる場合は交換を行う。

その他の付属機器類

変形、破損、脱落、漏れ、腐食などがないか確認します。

始動装置

始動用蓄電池設備

蓄電池設備の点検要領に準じること。

又、原則として蓄電池設備の点検票を添付すること。

始動用空気圧縮設備

・外形

空気圧縮機、空気だめ(空気タンク)、空気制御盤等に変形、破損、著しい腐食等がないか確認します。

・空気だめ

空気圧力が、自動充気装置の上限値付近に保持されているか確認します。

・潤滑油類

    1. 空気圧縮機の軸受の潤滑油、グリース等の油脂量が規定量満たされているか確認します。
    2. 製造者の指定する銘柄及び粘度のものが使用され、著しい汚れ、変質等がないか確認します。

始動用燃料

(ガスを圧縮して原動機に供給するものに限る。)

燃料容器に変形、損傷、著しい腐食がなく、必要量が保有されているか確認します。

別添1の資料について

平成30年6月1日付 消防予第373号通知より 別添1

まとめ

最後までご覧いただいありがとうございます。

今回から非常電源(自家発電設備)の点検要領についてお話させていただいています。

この自家発電設備は実際に動かしてみないと点検できない部分があり、例えば冷却装置の冷却ファンの部分では、「円滑に駆動するか確認」となっていて、冷却ファンは自家発電装置を動かさないと確認ができません。

そのため機器点検・総合点検に関わらず自家発電装置を動かして点検を行う必要があります。

また各潤滑油等において、各メーカーにより指定する粘度やグレードが異なりますので取扱説明書などで事前に確認しておく必要があります。