皆さんこんにちわ。
まだまだ寒さが厳しいですが、いかがおすごしでしょうか?
今回は屋外消火栓についてお話させていただきます。消火栓には屋内と屋外がありますが、どのように違うのでしょうか?
屋外消火栓とは?
文字通り、屋外に設置する消火栓になります。
基本的な構造、仕組みは屋内消火栓と同じで、人が操作することによって火災を消火する設備であり、
- 水源(貯水槽など)
- 加圧送水装置(消火ポンプとモーター)
- 消火栓起動装置(発信機など)
- 屋外消火栓(地上式・地下式)
- ホース格納箱
- 屋外消火栓箱(開閉弁、ホース、ノズル等)
- 配管・弁類
- 非常電源
などから構成されています。以下に違いがあります。
防護できる水平距離
- 屋内消火栓・・・水平距離25m
- 屋外消火栓・・・水平距離40m
防護できる階
- 屋内消火栓・・・消火栓箱が設置してある階(10階に設置してあれば10階を防護できる)
- 屋外消火栓・・・防火対象物の1階と2階
ノズル(筒先)の大きさ
- 屋内消火栓・・・13mm以上(1号消火栓の場合)
- 屋外消火栓・・・19mm以上
ホースの大きさ
- 屋内消火栓・・・40A(内径41.6mm)×15mを2本使用
- 屋外消火栓・・・65A(内径67.9mm)×20mを2本使用
放水量の違い(放水圧力を0.40Mpaとした場合)
- 屋内消火栓・・・ノズル13mmとして約220リットル/分
- 屋外消火栓・・・ノズル19mmとして約471リットル/分
などに違いがあります。
どんな場所に設置されるの?
2階建てまでの、述べ面積が3000㎡以上(建物の構造により6000㎡、9000㎡に緩和)の、どのような防火対象物にでも設置できますが、主に工場や作業所が多いです。
それは、2階よりも上の階になると屋外消火栓では防護できなくなり、屋内消火栓が必要になります。そのため平屋や2階建てが多い工場などによく設置されています。
防護できる水平距離も40mとれるので、平屋や2階建ての建物なら屋外消火栓のほうがメリットがあります。ただし、屋内消火栓と同様に使用には技術と知識と人手が必要なので、建物の関係者(従業員など)は訓練等で使用方法を熟知する必要があります。
屋外消火栓の種類
屋内消火栓には1号や2号といった種類がありましたが、屋外消火栓にも種類があります。
地上式消火栓
これは地上(地面やコンクリート基礎の上)に消火栓の開閉弁があるものです。よく街中に立っている赤いポールみたいなやつです。
この消火栓の直近(歩行距離で5m以内)にホースとノズルを格納した「ホース格納箱」があり、そこからホースとノズルと開閉レバーを取り出して接続して使用します。
地下式消火栓
これは地下にピット(穴、窪み)を設けてその中に消火栓開閉弁を設置してある消火栓になります。
この地下式消火栓の直近にもホース格納箱が設置されていて、そのホース、ノズル、開閉レバーを取り出して接続し使用します。
このタイプの消火栓はよくピットの上に物を置かれて使用出来ないといった事例が多いので注意が必要です。
屋外消火栓箱
これは屋内消火栓箱と同じ様なもので、中にホース、ノズル、開閉弁が一緒に格納されていて、蓋を開いてホースとノズルを取り出して展開すればすぐに使用出来ます。工場などはこの消火栓箱タイプが主流です。
屋外消火栓の使用方法
注意点
(1)まずは落ち着く、あわてない、あせらない。
(2)どの種類の屋外消火栓も必ず2人以上(出来れば3人以上)で使用してください。
(3)屋内消火栓よりも放水量が大きくノズルを保持するのが大変なので、ノズルの保持は2人以上で行うのが安全です。また放水中はノズルを絶対はなさない。
(4)ホース展開時は、ホースがなるべく折れたり曲がったりしないように展開する。
(5)放水に使っているのはただの水なので、灯油などの油火災、電気火災には使用してはいけません。
油火災に放水しても消火できず火災範囲を広げてしまうだけなので(霧状に放水できる噴霧ノズルで霧状放水する場所を除く)。
電気火災に放水すると感電する可能性があります。
地上式・地下式の場合
(1)消火栓の直近にあるホース格納箱からホース、ノズル、開閉レバーを取り出す。
(2)ホースを展開して伸ばして、消火栓のホース差し込み口にホースを差し込み、ホースの先端にノズルを付ける。
(3)起動装置(発信機や押しボタン)がある場合は、起動装置を操作(ボタンを押す等)してポンプを起動させる。
(4)消火栓の開閉弁(バルブ)を開閉レバーで開く人(A君)とノズルを持って消火活動をする人(B君)で別れる。
(5)A君とB君で声を掛け合いながらA君はゆーーーっくりバルブを開けてホースに充水する。B君はノズルを保持する。
(6)ホースへの充水が出来てB君がノズルの保持体制が整ったらA君はさらにバルブをゆっくり開ける。
(7)A君はB君と声を掛け合い、ノズルを安全に保持できるくらいの放水量でバルブの開を止める。B君はノズルを燃焼物に向けて消火活動を行う。
(8)消火活動が終了したらA君はゆっくりバルブを閉める。B君はノズルからの放水が完全に止まるまでノズルを保持する。
屋外消火栓箱の場合
(1)屋外消火栓箱の扉を開き、中のホースとノズルを取り出す。
(2)ホースを展開してノズルを火元へ向ける。
(3)消火栓開閉弁(バルブ)を開ける人(A君)とノズルを保持する人(B君)で別れる。
(4)A君は起動装置(発信機や押しボタン)を操作(押しボタンを押す等)してポンプを起動させる。
(5)A君は消火栓開閉弁(バルブ)をゆーーーっくり開けてホースに充水する。B君はノズルを保持する。
(6)ホースへの充水が出来てB君がノズルの保持体制が整ったらA君はさらにバルブをゆっくり開ける。
(7)A君はB君と声を掛け合い、ノズルを安全に保持できるくらいの放水量でバルブの開を止める。B君はノズルを燃焼物に向けて消火活動を行う。
(8)消火活動が終了したらA君はゆっくりバルブを閉める。B君はノズルからの放水が完全に止まるまでノズルを保持する
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は屋外消火栓についてお話させていただきました。屋外消火栓は屋内消火栓と共通点が多いですが、屋外消火栓独自の部分(消火栓の地上式・地下式など)もあり、一概に同じとは言えません。
使用方法も屋外消火栓箱のタイプなら屋内消火栓とほぼ同じですが、地上式や地下式の場合はホース・ノズル・開閉レバーを取り出して・・・の作業があるので、屋外消火栓箱タイプより1手間2手間増えます。
まぁ屋内消火栓のお兄ちゃんとでも思っていただければ分かりやすいかなと思います。次回は屋外消火栓の点検要領をお話させていただきます。