消火器具の機能点検の手順、ロットの作成方法

皆さんこんにちわ。

前回まで外観や内部および機能の点検要領をやってきましたが、今回の記事は消火器の機能点検の手順や、確認試料(確認ロット)の作り方などを説明していこうと思います。

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内部及び機能の点検手順

それでは手順を確認していきましょう。

加圧式の消火器(化学泡消火器以外)

  1. 消火薬剤量を質量(重さ)で表示してあるものは、消火器の総質量を秤で量って消火薬剤量を確認する。
  2. 排圧栓のあるものは排圧栓を開いて、排圧栓のないものはキャップをゆっくりあけて減圧孔から容器内の圧力を完全に排出する。
  3. キャップを外し、加圧用ガス容器の支持具や加圧用ガス容器を取り出す。
  4. 消火薬剤量を容量(量が多い・少ない)で表示してあるものは、液面表示と同一レベルであるか確認する。
  5. 消火薬剤を他の容器に移す。水系消火薬剤はバケツなどへ、粉末はビニール袋などへ移す。
  6. 清掃する。
    (1)水系の消火器は、本体容器の内外・キャップ・ホース・ノズル・サイホン管等を水洗いする。
    (2)粉末消火器は水分が厳禁なので、乾燥した圧縮空気などで本体容器内・キャップ・ホース・ノズル・サイホン管等をエアーブローして清掃する。
  7. 各部品についての確認を行う。(本体容器内に塗膜はく離がないかなど)

加圧式の消火器(化学泡消火器)

  1. キャップを外し、内筒を取り出す。
  2. 消火薬剤量が液面表示と同一レベルであるかどうかを確認する。
  3. 消火薬剤をバケツ等へ移す。
  4. 消火器の本体容器の内外・内筒・キャップ・ホース・ノズル・ろ過網等を水洗いする。
  5. 各部品についての確認を行う。

蓄圧式の消火器

  1. 消火薬剤量を質量(重さ)で表示してあるものは、消火器の総質量を秤で量って消火薬剤量を確認する。
  2. 指示圧力計の指度(指してる位置)を確認する。
  3. 排圧栓のあるものは排圧栓を開いて、排圧栓のないものは消火器を逆さまにしてレバーを除々に握り、容器内の圧力を完全に排出する。
  4. キャップ又はバルブ本体を容器からを取り外す。
  5. 消火薬剤を他の容器(ビニール袋など)に移す。
  6. 清掃する。(粉末消火器は水分が厳禁なので、乾燥した圧縮空気などで本体容器内・キャップ・ホース・ノズル・サイホン管等をエアーブローして清掃する。)
  7. 各部品についての確認を行う。(本体容器内に塗膜はく離がないかなど)

消火器の器種による試料の作成方法

消火器の器種により内部及び機能の試料の作成方法が違います。

例えば水消火器(加圧式)(製造年から3年を超えるもの)なら内部及び機能の点検は毎回全数行い、そのうち10%以上の本数で放射能力を確認します。

例えば製造年から3年を超える水消火器(加圧式)が11本設置されているとしたら、点検毎に11本全部を内部及び機能の点検を行い、そのうち2本以上を放射能力の確認に使用します。(11本の10%は1.1本ですが小数点以下は繰り上げになるので2本になります。)

※製造年から3年を超えるとは、2014年製造なら2018年の点検時に3年を超えると判断する。

粉末消火器(加圧式)
(製造年から3年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…※抜き取り数
  • 放射能力…抜き取り数の50%以上

粉末消火器(蓄圧式)
(製造年から5年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…※抜き取り数
  • 放射能力…抜き取り数の50%以上

化学泡消火器(加圧式)
(設置後1年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…全数
  • 放射能力…全数の10%以上

機械泡消火器(加圧式)
(製造年から3年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…全数
  • 放射能力…全数の10%

機械泡消火器(蓄圧式)
(製造年から5年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…※抜き取り数
  • 放射能力…抜き取り数の50%以上

強化液消火器(加圧式)
(製造年から3年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…全数
  • 放射能力…全数の10%以上

強化液消火器(蓄圧式)
(製造年から5年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…※抜き取り数
  • 放射能力…抜き取り数の50%以上

水消火器(加圧式)
(製造年から3年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…全数
  • 放射能力…全数の10%以上

水消火器(蓄圧式)
(製造年から5年を経過したもの)

  • 放射能力を除く項目…※抜き取り数
  • 放射能力…抜き取り数の50%以上

全器種

  • 外観点検で欠陥があり、内部及び機能の確認を要する場合は当該消火器全数。

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確認試料(確認ロット)の作成要領

「※抜き取り数」とある器種は下記の方法で確認試料(確認ロット)を作る。

  1. 器種(消火器の種類別)、種別(大型、小型の別)、加圧方式(加圧式か蓄圧式か)の同一のものを1ロットとする。
  2. 製造年から8年を超える加圧式粉末消火器は別のロットとする。
  3. 製造年から10年を超える蓄圧式の消火器は別のロットとする。

例えば

  • 粉末消火器(加圧式)(小型)が10本。内3本は製造年から8年を超えている。
  • 粉末消火器(蓄圧式)(小型)が10本
  • 粉末消火器(加圧式)(大型)が2本
  • 強化液消火器(蓄圧式)(小型)が4本

以上の消火器が設置されているとします。これらのロットを作るとしたら

  • 粉末消火器(加圧式)(小型)が7本で1ロット
  • 粉末消火器(加圧式)(小型)の製造年から8年を超えている3本で1ロット
  • 粉末消火器(蓄圧式)(小型)が10本で1ロット
  • 粉末消火器(加圧式)(大型)が2本で1ロット
  • 強化液消火器(蓄圧式)(小型)が4本で1ロット

以上の5ロットが出来ます。この各ロットの消火器を下記の期間内に全数を内部及び機能の点検を行います。

試料の抜き取り方

  1. 製造年から3年を超え、8年以下の加圧式の粉末消火器と、製造年から5年を超え、10年以下の蓄圧式消火器はいずれも5年でロットの全数の確認が終了するようにおおむね均等に製造年の古いものから抜き取り、内部及び機能点検を行う。
  2. 製造年から8年を超える加圧式の粉末消火器と、製造年から10年を超える蓄圧式消火器は2.5年でロット全数の確認が終了するようおおむね均等に製造年の古いものから抜き取り、内部及び機能点検を行う。

となっています。点検は年2回(機器点検と総合点検)行うので、各点検時にロットの10%の本数を内部および機能点検すれば5年で100%になります。

製造年から8年(10年)を超えるものは各点検時にロットの20%の本数を内部及び機能点検すれば2.5年で100%になります。

上記の確認試料の作成要領の例で作った5ロットを抜き取りした場合の例を作ってみました。

確認試料の抜き取り方の例

上記の例だと、1回目の点検で粉末消火器(小型)(蓄圧式)の一本、粉末消火器(小型)(加圧式)の製造年から8年を超えるものを一本、合計2本を内部及び機能の点検を行い、このうちどちらか一本を放射能力の点検を行います(抜き取り数の50%以上は放射能力を行う。)

また参考に確認試料(ロット)の大きさにより点検毎に何本内部および機能点検を行えば良いかの図も用意しました。

確認試料(確認ロット)の抜き取り数の例

ただし、製造年から10年を経過した消火器は上記内部及び機能点検に加えて耐圧性能試験(通称 水圧試験)も行わなければなりません。

当ブログでは製造年から10年経過した消火器は耐圧性能試験を行わずに破棄して新品消火器への入れ替えを推進しているので、耐圧性能試験の点検方法や確認試料の作成等は説明を割愛します。

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

消火器の点検は、外観から点検できる部分はそんなに大変ではありませんが、内部及び機能の点検が加わると大変になります。

現在流通している消火器の90%以上が粉末消火器なので、確認ロットを作成するのに抜き取り方式でロット作成になります。

内部及び機能の点検→器種ごとに確認ロットを作る→点検毎に機能点検を行う消火器を抜き取る→期限までに全数の消火器を1回以上機能点検する。

私は最初このロットの作り方や抜き取り方がよく理解できませんでしたが、でも何回かやっていると理解出来るようになりました。覚えるのは大変ですが頑張っていきましょう。