皆さんこんにちは。
この乙種6類の試験対策シリーズも今回で終了になり、ぶっちゃけ長かったなーと思います。消防設備士試験の登竜門として大勢の方が受験するであろう乙種6類の試験勉強に一役かわせていただければ幸いだと思っています。
出題傾向として
この実技試験は、前回までやってきた筆記試験の部分で各科目ごとに40%(機械基礎、消火器の構造機能、消火器の規格、消防法令共通・類別)、全体で60%以上の正解をした方が採点対象になります。したがって、筆記試験で合格できなかった方はこの実技試験の採点をしてもらえません。
実技試験(鑑別等)は主に消火器の写真(白黒)、断面図やイラストなどが問題用紙に書かれていて、それを択一式の解答(3拓とか4拓)ではなく問題用紙に直接文言を記入して解答する方式になっています。
この実技試験は5問出題され、そのうち3問正解しないと不合格になります。イラストや写真を見て答える問題の他に消火器の設置基準の問題も出題され、平面図に消火器の設置場所を記入したり、能力単位を計算して必要な消火器本数を答えたりする問題も出題されるのでそちらもおさえておきましょう。
実技試験の練習問題
実技試験は前回まで説明した記事の各部分から出題されます、以前の記事を参考に練習問題を作成してみましたので解いてみましょう。
問題の答えを確認するのにリンク(青い文字)をクリックして答えが確認できたらブラウザのバックボタンで戻ってこれます。
※以下の問題にはカラーの写真やイラストを使用していますが、実際の試験では全て白黒の写真等での解答になりますので注意してください。
問題1 消火器用消火薬剤の検定合格証は上記の表のうちどれか、番号で答えなさい。
問題2 消火器の検定合格証は上記の表のうちどれか、番号で答えなさい。
問題 下の写真を見て問に答えなさい。
(②の消火器には適応火災表示が3つあり、③の消火器は表面の色の1/2以上が緑色である。)
問題3 写真の①・②・③の消火器の名称を答えなさい。
問題4 写真の①・②・③の消火器の適応火災を答えなさい。
問題5 写真の①・②・③の消火器の加圧方式を答えなさい。
問題6 写真③の消火器を設置することができない場所を答えよ。
問題 下の写真をみて問に答えよ。
問題7 (1)この消火器の名称を答えよ。
(2)この消火器の使用温度範囲は何度か答えよ。
(3)この消火器の適応火災を答えよ。
問題 下の写真を見て問に答えよ。(加圧用ガスボンベはねずみ色をしている。)(適応火災表示は3つある。)
問題8 (1)この消火器の名称を答えよ。
(2)この消火器の薬剤重量を40kgとした場合の能力単位を答えよ。
(3)この消火器の消火薬剤の色を答えよ。
問題 下の写真の丸印の部品についての問に答えよ。
問題9 (1)この部品の名称を答えよ。
(2)この部品の使用目的を答えよ。
問題 下の写真の丸印の部品についての問に答えよ。
問題10 (1)この部品の名称を答えよ。
(2)この部品の取付け目的を答えよ。
(3)この部品を用いなくてもよい消火器(手提げ式)を2つ答えよ。
問題 下の写真の丸印の部分についての問に答えよ。
問題11 (1)この部分の名称を答えよ。
(2)この部分の使用目的を答えよ。
問題 下の写真の部品についての問に答えよ。
問題12 (1)この部分の名称を答えよ。
(2)写真の緑色の部分の範囲の数値を答えよ。
(3)この部品を用いなくてもよい蓄圧式の消火器名を答えよ。
問題 下の写真の丸印の部分についての問に答えよ。
問題13
(1)この部分は、「 ① 」の材質が「 ② 」製であることを表している。
①と②に入る語句を記入しなさい。
問題 下の写真の加圧用ガス容器についての問に答えよ。(①は外面がメッキである。②は外面が緑色である)
問題14 (1)高圧ガス保安法の適用を受けないものはどっちか?
(2)ガスの再充填が可能なのはどちらか?
問題 下の写真は内容積100m㍑以下の加圧用ガス容器で、TW283、C38の刻印がある。問に答えよ。
問題15 (1)TW283の刻印は何を表しているか答えよ。
(2)C38のCは何を表しているか答えよ。
(3)C38の38は何を表しているか答えよ。
問題 下の写真は蓄圧式消火器の指示圧力計であり、点検時に不良と判断した。問に答えよ。
問題16 (1)なぜ不良と判断したのか答えよ。
(2)このような状態になったと思われる原因を2つ答えよ。
(3)上記(2)で答えた原因を確認(判定)するにはどのような試験を行えば良いか答えよ。
問題 下の写真は蓄圧式消火器の指示圧力計であり、点検時に不良と判断した。問に答えよ。
問題17 (1)なぜ不良と判断したのか答えよ。
(2)このような状態になったと思われる原因を2つ答えよ。
(3)上記(2)で答えた原因を確認(判定)するにはどのような試験を行えば良いか答えよ。
問題 以下の3階建ての建物に必要な能力単位と消火器の本数を答えよ。能力単位等の算出には以下の条件を加味すること。
- 1階はカラオケボックス(2項・ニ)で800㎡
- 2階は飲食店(3項・ロ)で800㎡
- 3階は事務所(15項)で800㎡
- 条件:建物は耐火構造で内装制限を施してある。歩行距離は考えないものとし、消火器の能力単位は3単位のものを設置する。
問題18 (1)1階の必要能力単位と消火器の本数を答えよ。
(2)2階の必要能力単位と消火器の本数を答えよ。
(3)3階の必要能力単位と消火器の本数を答えよ。
問題 以下の平面図を見て問に答えよ。
- この建物は工場作業場で、主要構造部は耐火構造以外である。
- 歩行距離は考えないものとする。
- 設置する消火器の能力単位は1単位のものを設置する。
問題19 (1)面積に対して必要な消火器の設置本数をこたえよ。
(2)ボイラー室に必要な消火器の設置本数をこたえよ。
(3)変電室に必要な消火器の設置本数を答えよ。
(4)少量危険物に必要な設置本数をこたえよ。
問題20 とある10階建ての防火対象物(15項)に必要な消火器の能力単位は180単位である。以下の問に答えよ。
(1)この防火対象物に、技術上の基準により屋内消火栓を設置した場合に、必要能力単位はいくつになるかこたえよ。
(2)この防火対象物に、技術上の基準によりスプリンクラー設備を設置した場合に、必要能力単位はいくつになるか答えよ。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。長かった消防設備士乙種6類の試験対策シリーズも最終回を迎えることができました。途中1ヶ月ほど更新が途絶えたこともありましたが、なんとか終えることができました。
今回の実技試験編はこれまで勉強してきた総集編だと思います。問題20は類別の消防法令の部分になりますし、問題15などは消火器の構造・機能の部分になりますので良く復習していただければ解ける問題だと思います。
この記事では泡消火器の部分が少ないのですが、実際の試験では泡消火器の問題が多く出題されているので、(泡消火器の構造、部品、特にろ過網)良く復習しておきましょう。最近では設置されている泡消火器は特に数が少ないので実際に目で見て勉強できれば良いのですがなかなか難しいところです。今現在は粉末消火器が主流なので粉末消火器の問題をいっぱい出してもらえれば合格率もあがると思うのですが・・・。
問題1の答え
→ ③ 消火器用消火薬剤の検定合格証は直径15mmなので③になります。
問題2の答え
→ ① 消火器の検定合格証は直径10mmなので①になります。
問題3の答え
→ ①は使用済み表示装置が付いていて、指示圧力計がなく、適応火災表示が3つあるのでABC粉末消火器である。
→ ②はノズルが切断されたような形なので水系の消火器で、適応火災表示が3つあるので、強化液消火器である。
→ ③は表面の色が1/2以上緑色なので二酸化炭素消火器である。ノズルの代わりにホーンが付いているのでも判別ができる。
問題4の答え
→ ①は写真をみても分かるように適応火災表示が3つあるので、適応火災はA・B・Cである。
→ ②は問題文に適応火災表示は3つあると書いてあるので、適応火災はA・B・Cである。
問題5の答え
→ ①は指示圧力計がないので加圧式。
→ ②は指示圧力計があるので蓄圧式。
問題6の答え
→ ③は二酸化炭素消火器なので
- 地下街
- 準地下街
- 換気について有効な開口部の面積が床面積の1/30以下で、かつ当該床面積が20㎡以下の地階、無窓階、居室
問題7の答え
(1)→ 消火器の上部に起動用ハンドルがついているので化学泡消火器の開蓋転倒式ということがわかるので「車載式開蓋転倒式化学泡消火器」である。
(2)→ 化学泡消火器の使用温度範囲は+5℃~+40℃である。
(3)→ 写真を見てもわかるように適応火災表示は2つであり、化学泡消火器は電気火災には適応していないので、適応火災はA火災・B火災である。
問題8の答え
(1)→ 加圧用ガスボンベがねずみ色=窒素ガス、圧力調整器付きで適応火災表示が3つあるので粉末消火器と考えられるので、「車載式ABC粉末消火器」である。
(2)→ 粉末消火器の場合、消火薬剤が20kg以上になると大型消火器に当てはまり、設問の40kgは大型消火器になるので、能力単位はA-10、B-20になる。
(3)→ (1)の解答よりABC粉末を使用しているので、消火薬剤の色は淡紅色である。
問題9の答え
(1)→ この部品は「安全栓」である。
問題10の答え
(1)→ この部品は「使用済み表示装置」である。
(2)→ 使用済みであるかどうかを判断するため。
(3)→ ①指示圧力計のある蓄圧式消火器 ②バルブを有しない消火器。
問題11の答え
(1)→ この部分は「減圧孔」である。
(2)→ プラグ、又はキャップを外す時に本体容器内の圧力を減圧するため。
問題12の答え
(1)→ この部分は「指示圧力計」である。
(2)→ 0.7〜0.98Mpa
問題13の答え
問題14の答え
(1)→ ① 外面がメッキのボンベは内容積が100c㎥を超えないので高圧ガス保安法の適用を受けない。
(2)→ ② 外面が緑色なので高圧ガス保安法の適用を受けているボンベなのでこちらは再充填ができる。
問題15の答え
(1)→ TWは、total weightの略で全重量という意味なので、このボンベの全重量は283gということになる。
(2)→ 取付け部分のネジの種類(容器記号ともいう)を表している。
(3)→ 充てんされているガス量(重量)が38gであることを表している。
問題16の答え
(1)→ 指示圧力計の指針が使用圧力範囲(緑色の範囲)を超えている為。
(2)→ ・充てん圧力の入れ過ぎが原因。
→ ・指示圧力計が壊れている。
(3)→ 消火器本体に標準圧力計を取り付けて、消火器の内圧を測定すれば確認できる。
問題17の答え
(1)→ 指示圧力計の指針が使用圧力範囲(緑色の範囲)よりも下がっている為。
(2)→ ・内圧が漏れている。
→ ・消火器を使用した。
問題18の答え
※能力単位の算定は用途ごとに、消火器の設置は各階ごとに行うので、
(1)→ 1階は2項・ニで、能力単位算出面積は50㎡だが耐火構造と内装制限で倍読みできるので100㎡で算出する。 800/100=8単位なので、消火器は3本必要である。
(2)→ 2階は3項・ロで、能力単位算出面積は100㎡だが耐火構造と内装制限で倍読みできるので200㎡で算出する。 800/200=4単位なので、消火器は2本必要である。
(3)→ 3階は15項で、能力単位算出面積は200㎡だが耐火構造と内装制限で倍読みできるので400㎡で算出する。 800/400=2単位なので、消火器は1本必要である。
問題19の答え
(1)→ 工場作業場は12項イなので、能力単位算出基準面積は100㎡になるので、1528㎡÷100㎡=15.28になり、繰り上げて16単位が必要とわかる。設置する消火器は1単位なので、16本の設置が必要になる。
(2)→ ボイラー室は多量火気使用場所に該当するので、能力単位算出基準面積は25㎡なので、48㎡÷25㎡=1.92になり、繰り上げて2単位が必要とわかる。設置する消火器は1単位なので、2本の設置が必要となる。
(3)→ 変電室は100㎡以下ごとに1本必要なので、175㎡÷100㎡=1.75になり、設置する消火器は2本必要である。
(4)→ 少量危険物は、少量危険物の量を危険物の指定数量で割った数になり必ず1未満となり、必要能力単位は1単位になるので消火器を1本設置すれば良い。
問題20の答え
(1)→ 屋内消火栓を技術上の基準により設置した場合は、その有効範囲内の消火器の能力単位を2/3まで減ずることが出来るので、180÷(2÷3)=120になり、120単位になる。
(2)→ スプリンクラー設備を技術上の基準により設置した場合は、その有効範囲内の消火器の能力単位を2/3まで減ずることが出来るので、180÷(2÷3)=120になり、120単位になる。