消防用設備等の工事と整備の違いについて

皆さんこんにちは。

以前の記事で工事と整備の違いに関して軽く説明させていただきましたが、あまりにもサラッとしすぎていて良くわからない部分があるので今回はより詳しく説明していこうと思います。

工事と整備について

消防設備士には甲種と乙種があり、甲種と乙種で行える業務に区分があります。みなさんもご承知のとおり、甲種消防設備士は指定された工事整備対象設備等の工事と整備と点検が行え、乙種消防設備士は指定された工事整備対象設備等の整備と点検を行えることになっています。

この工事と整備ですが、どこからどこまでが工事で、どこまでが整備なのか結構わからなかったりしますので、詳しく説明していきたいと思います。

消防設備士でなければ従事できない工事・整備の区分

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工事と整備の区分の原則

  • 工事整備対象設備等の新設、増設、移設は原則として「工事」に区分される。
  • 改修については、新たに設計が必要な場合は「工事」に区分されて、これ以外の改修は「整備」に区分される。
  • 工事整備対象設備等の本質的な機能・構造に影響を及ぼさないくらいの軽微な整備で以下のような場合は「整備」に該当しない。
    1. 屋内消火栓設備の表示灯の交換。
    2. 屋内・屋外消火栓のホースやノズル、ヒューズやねじなどの部品の交換、締付けなど。
    3. 消火栓箱、ホース格納箱などの補修。
    4. その他これらに類するもの(誘導灯の蛍光管(冷陰極)の交換など)。

ちなにみ「補修」とは、「痛んだ所を補い繕うこと。」という意味で、例えば消火栓箱が錆びていたので軽くサビ落とししてスプレーなどで錆止めをした場合は「補修」、類義語で完全にケレン(完全にサビを落とす)してエポキシ樹脂塗装などで新品同様にするのが「修復」になります。

具体的に

区分の原則でおおまかな部分はわかりましたが、では具体的にはどうなのでしょうか?。以下に例を表しました。(※所轄消防により見解が異なる場合があります。)

  • 感知器のヘッドのみの交換は「整備」(同じメーカー同じ機種に限る)、感知器ベースの交換は配線を着脱(圧着)することとなり、接続工事になるので「工事」。もちろん感知器ベースの無い防水型感知器の交換に伴う接続も「工事」になります。
  • 定温式スポット型感知器(特種)を定温式スポット型感知器(1種)に交換するのは「工事」(特種から1種になると警戒面積が変わり、新たに設計が必要になる為)。
  • 差動式分布型感知器(熱電対式)を光電式スポット型感知器(1種)にする場合は「工事」(分布からスポットも警戒面積が変わり、新たに設計が必要になる為)。
  • 消防機関へ通報する火災警報設備(以下、火災通報装置)と自動火災報知設備との連動を組む場合の連動停止スイッチ箱を取付けたり、相互配線の接続などは「工事」になります。
  • ガス漏れ火災警報設備の検知器の本体だけの交換は「整備」、検知器ベースの交換は配線の接続工事になるので「工事」になります。
  • 消火器の安全栓の封印などの部品を交換するのは「整備」になります。
  • 漏電火災警報器の変流器の交換は「整備」なります。

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設備別の工事・整備内容の一覧表

工事・整備の内容等の一覧表

※必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備(パッケージ型消火設備や特定小規模施設用自動火災報知設備など)や、特殊消防用設備等などは上記一覧表に掲げる消防用設備等に類するものとして消防庁長官が定めるものに限り、電源・水源・配管の部分を除く。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。工事や整備の違いは理解していただけたでしょうか?自動火災報知設備の感知器の交換1つとっても工事or整備になるんですね。配線をいじらなければ整備、配線をいじるなら工事と覚えましょう。

あと、火災通報装置の連動工事ですが、連動停止スイッチを使わずに受信機(火災通報装置)の移報停止スイッチを利用して配線のみの作業の場合に、所轄消防によっては整備として処理する消防もありますので、自火報と通報装置の連動工事を行う場合は事前に協議することをおすすめします。

また、消火器の部品の交換も整備と記載させていただきましたが、よくある事例として、消防設備点検資格者が消火器を点検したときに、安全栓の封が切れていたので古い封をはがして新しい封を貼るのは整備に該当するので点検資格者では行えない業務になります(点検資格者は点検のみ行える)。私の周りでも平然と行っている方がいますが点検資格者の免状返納対象になりますので注意しましょう。

最後に、工事を行う場合は着工届や設置届を届け出る必要がありますので消防設備士さんは気をつけてください。着工届を出さないで工事を行うと減点の対象になり、最悪免状返納の対象になりますので気をつけましょう。