自動火災報知設備におけるリレーの活用について

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皆さんこんにちは。

今回は筆者の周りに「リレーの原理や使い方がよくわからない」と言う方がいらっしゃるので記事にしてみました。

消防用設備等で回路組む時などのお役に立てればと思います。

今回は当ブログ初の動画埋込もしていますが、見ずらい部分もあるかと思いますのでよろしくお願いします。

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リレーとは?

知っている方もいらっしゃるかと思いますが、まずは概要から説明しますが、リレーは別名「継電器」とも呼ばれていて

動作スイッチ・物理量・電力機器等の状態に応じ、制御または電源用の電力の出力をする電力機器である。

ウィキペディアより出典

となっていて、リレーの外部より電源をもらい、その電源でリレー内部の電磁石が動いて接点の開閉を行う物になります。

そしてこの接点には

  • A接点(メイク、ノーマルオープン(NO)接点)
  • B接点(ブレーク、ノーマルクローズ(NC)接点)
  • C接点(トランスファ、切替接点)

などがありますが、それぞれを解説しながら使用例をお話しようと思います。

A接点について

A接点は、リレーに電源を流さない状態で接点が開いている接点(常時開、通常状態でオープン)になり、リレーに電源が流れて電磁石が働くと接点が閉じる(くっつく、導通する)接点になり、放送のアンプなどで「メイク」と記載されている端子がありますが、あれはA接点のことです。

B接点について

B接点は、リレーに電源を流さない状態で接点が閉じている接点(常時閉、通常状態でクローズ)になり、リレーに電源が流れて電磁石が働くと接点が開く(離れる、導通しない)接点になり、「ブレイク」という端子がある場合にはこのB接点のことです。

C接点について

C接点は「切替接点」とも言い、通常状態(未作動時)はNC接点(B接点)とくっついていて、リレーが作動するとNO接点(A接点)とくっつくというものになり、名前の通り切替ることにより一つの接点でNO接点もNC接点も両方とれる接点になります。

ちなみに今回使用するリレーもこのC接点を使用しています。

リレー接点の違いについて

 

使用するリレー

使用するリレーとソケット

使用するリレーはオムロンの「MY4N」という型番のリレーで、C接点の極数が4つ(NOが4つ、NCが4つ)あるDC24Vの電源で電磁石が作動するものになります。

いつもお世話になっている電材屋さんにこのリレーを注文した時に、ソケット(リレーの台座)を注文し忘れて「あっ、ソケットが無い…」という事態になったのはナイショです(笑)。

ちなみにこのリレーはインターネットなどでもよく目にするもので、いろいろな設備に使われています。

そして使用する電源ですが、今回は自動火災報知設備の受信機に使用するので受信機から電源をとれるDC24Vを選択しましたが、他にもAC100Vや200Vなどのリレーもありますので電源の種類に応じて選択すると良いと思います。

リレーの接点記号と端子番号

リレーの端子番号と接点記号と電源端子

リレーの端子番号

ではリレーの端子番号と接点記号について見てみましょう。

上の写真(1枚目)で、リレー本体に接点記号と該当する端子番号が記載されていて、例えば一番右の接点番号(4・8・12番)の場合に、4番の端子がNC接点、8番がNO接点、12番がCOM(共通)接点になります。

そしてリレー作動用電源の端子は、13番の端子が電源のー側を接続する端子で、14番の端子が電源の+側を接続する端子になっているのがわかりますので、+-を逆に接続しないようにしましょう。(仮に逆接続してもリレーは壊れません)

端子の番号はリレーソケットに記載があります(写真2枚目)ので間違えないように接続しましょう。

自火報受信機を用いての電源の取り方

それではリレーに使用する電源を自動火災報知設備の受信機(以下、自火報受信機)から取得して解説していきます。

使用するリレーはDC24Vで、自火報受信機からDC24Vを取得する部分には

  • 増設主音響回路
  • 地区音響回路(BF・BC)
  • 表示機電源(I+・I-)

上記の3つがありますが、最近の受信機では増設主音響回路が無い受信機が多いので実質的には地区ベルか表示機電源から取ることになります。(受信機製造メーカーにより端子記号が異なる場合があります。)

増設主音響の端子の例(+BM・-BM’)

一応電源として「表示灯」の電源(PU・PV)がありますが、こちらはAC24Vの為、あまり使用される事は少ないかと思います。(連動元がDC24V指定のものが多い)

それでは電源を送ってみよう

それでは一番基本的な回路でリレーに電源を送ってリレーを作動させてみましょう。

今回使用する受信機は能美防災様のP型2級の受信機で、お得意先の防災屋さんから拝借してきました。

写真では受信機の表示機電源(I+)と(I-)の端子から電源を取り、それをリレーの端子番号の13番と14番に接続して電源を送っています。

この回路はリレーに電源を送るという点では一番シンプルですが、これでは常時リレーが作動することになってしまうので条件を付けての接続をやってみましょう。

地区音響が鳴ったらリレー作動

次によくある接続方法として「地区音響(ベル)」が鳴った時にだけリレーが作動するという接続方法を確認していきましょう。

初めての動画編集なので見づらくてすみません。

この動画では電源を受信機の地区音響端子(BF・BC)から取得し、それをリレーへ送っています。

この接続の場合、上記みたいに常時作動しっぱなしにはなりませんので、火災発報してさらに地区音響鳴動状態でないとリレーが働かない様になりますし、地区音響停止をかければリレーも停止しますので、例えば非常放送のカットリレーなどを施工する時に活用できます。

ちなみに端子の接続は以下の様になっています。(能美防災様の受信機はCOM端子が+です)

受信機とリレーの接続例(地区音響)

火災信号移報遮断で信号遮断

上記の接続方法ではリレーの作動と同時に地区音響(ベルやサイレン)が鳴動してしまうので、違う接続方法を確認しましょう。

この動画では、電源を表示機電源のI+とI-から取得して、片側の(+)側の線を移報遮断回路(FA・FC端子)を通して、移報遮断スイッチでリレーを作動⇔停止ができる回路になり、リレーの作動点検時に上記の様な地区音響が鳴ってしまうというのがありませんので、良く用いられる接続方法になっています。

ちなみに接続の詳細は以下の様になっています。

受信機とリレーの接続例(移報遮断)

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回はリレーの概要と活用方法についてお話させていただきましたけど、リレーの接続方法に正解というものは無くて、どのように接続してもリレーが働けばOKです。

例えば最後に紹介した移報遮断スイッチを利用する接続方法では、I+側から出ている線はFAに入っていますが、逆にI+側を直接リレーへ接続してI-側の線をFAに入れても成立しますので、このリレー接続は三者三葉で上記の移報遮断利用の回路でも線の接続は本当に様々です。

ですが実際に受信機にリレーが使用されていたとしても、接続してある線を追っかけていけばどの線がどこに入っているかがわかりますので、まずは追っかけてみましょう。

もっと高度な接続方法もありますがそれはいずれやろうと思いますので今回は省略いたします。