非常警報器具及び設備とは

この記事は約5分で読めます。

皆さんこんにちわ。

今回は非常警報器具及び設備の概要についてお話しますが、意外に非常警報器具と非常警報設備の区分けがわからなかったりしますのでそれも以下で説明させて頂きます。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

非常警報器具及び設備とは?

非常警報設備(複合装置)の例

非常警報設備(放送設備)の例

文字通り非常時に警報を鳴らす器具又は設備です。

上の写真が非常警報設備(複合装置等)で、ボタン(起動装置)を押すとサイレンや非常ベルが鳴動するものになり、下の写真が非常警報設備(放送設備)で、非常放送設備とも呼ばれています。

他にはベルやゴングを叩いて鳴らす非常警報器具があります。

 

非常警報器具とは

非常警報器具とは、器具を持ち運べる簡易的な器具のことで

  • 携帯用拡声器
  • 手動式サイレン
  • ゴング
  • 警鐘(けいしょう)

などがあります。

 

非常警報設備とは

 

非常警報設備とは、建築物と一体となっていて、建築設計等とも大きくかかわっているもので大きく分けて以下があります

非常警報設備(複合装置等)

非常警報設備(操作部)の例

上記の写真の様に操作部・表示灯・起動装置を個別も用いている設備や、これらが一体となった複合装置からなる警報設備で、人間が起動装置(発信機など)を押すなどしてベルやブザーを鳴らして火災等を報知するものになります。

非常警報設備(放送設備)

これは建物全体(若しくは一部)に放送(音声やサイレン)を鳴らすことが出来る一般放送も兼ねた非常用放送設備のことで、増幅器(アンプ)、操作部、電源部、起動装置(発信機など)、スピーカーなどから構成されています。

一般放送(業務放送)では音量調整器(アッテネータなど)が作用して音量が調整できますが、非常起動ボタンを押して非常放送にすると、音量調整器(アッテネータなど)を無視して放送ができるので、有事の際にしっかり報知することができます。

さらに非常用放送設備には自動火災報知設備と連動している物もあって、自動火災報知設備が火災信号を受信すると放送設備も連動して放送を行い「(女声で)只今(場所名)の火災感知器が作動しました。係員が確認しておりますので、次の放送にご注意ください。」とか「(男声で)火事です。火事です。(場所名)で火災が発生しました。落ち着いて避難してください。」という放送が流れてサイレンも鳴りますので、大規模な防火対象物に設置されています。

 

どんな場所に設置されてるの?

これらの器具や設備は防火対象物の規模(大きさ)ではなく、収用される人数(収容人員)と用途(政令別表第一)で決まっていて、コンビニなどにも設置されています。

収容人員については下記の記事を参照してください。

また、政令別表第一については下記の記事を参照してください。

おおまかに言うと、収用人数が50人未満なら非常警報器具(拡声器など)でもOKですが、50人以上300人未満なら非常警報設備(非常ベルやサイレン)が必要になり、300人以上なら非常警報設備(放送設備)が必要です(地階・無窓階を除く)。
また、自動火災報知設備などを有効に設置してある場合は、その有効範囲内には非常警報器具・設備の設置は免除されます。

 

日常点検について

外観、簡単な操作で確認します。

非常警報器具(拡声器・ゴング・警鐘)
  • 外観に破損・腐食・変形等がなく、ハンマ(ゴング等を叩く物)が一緒に置いてあるか
  • 叩いて明瞭に鳴るか
  • 拡声器が電池式の物は電池の容量があるか、また鳴動は良好か確認します。
非常警報設備(複合装置等)
  • 操作部・複合装置等の交流電源灯(または電圧計)が点灯若しくは適正値か
  • 赤色の表示灯が点灯しているか
  • 外観に破損・変形・腐食等がないか
  • 非常電源試験スイッチを操作して(ボタンを押す・レバーを下げるなど)非常電源(内蔵バッテリーなど)に切り替わるか確認します。
非常警報設備(放送設備)
  • 交流電源灯または主電源灯(もしくは電圧計)が点灯または適正値内か
  • 起動装置(発信機)の直近の赤色の表示灯が点灯しているか
  • 非常電源の充電灯(電圧計若しくは電源灯)が点灯または適正値内か
  • 非常電源試験(蓄電池試験)スイッチを操作して(ボタンを押す等)非常電源に切り替わるか

 

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は非常警報器具及び設備の概要についてお話させていただきました。

非常警報設備(複合装置等)はコンビニや共同住宅(アパート)などに良く設置されていて、なんか見たことあると言う方もいらっしゃるかと思いますので、いる意味身近な消防用設備かと思います。

また器具と設備も

  • 持ち運びができる簡易的なものが器具
  • 建築物と一体となって設計に大きく関わっているものが設備

という違いがありました。

また自動火災報知設備を技術基準通りに設置すれば、その範囲内は非常警報器具及び設備(複合装置等)は省略できるというのも1つのポイントですね。