防火対象物とは

皆さんこんにちは。

前回、消防用設備等の点検と報告について解説させて頂きました。

そこで防火対象物って言葉を簡単に説明しましたが、もう少し詳しく説明していきたいと思います

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防火対象物とは(政令別表第1)

防火対象物とは、「山林、又は舟車、船きょ若しくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物若しくはこれらに属するものをいう」と規定されています。

この防火対象物というものの他に消防対象物というものもありますが、それらはこちらの記事に詳しく解説させて頂いてますので興味のある方はどうぞ。

また、その防火対象物には以下の種類があります。

特定防火対象物

いろいろな人(不特定多数の人)が利用する用途の防火対象物のこと。

非特定防火対象物

決まった人(従業員、作業員など)が利用する用途の防火対象物のこと。

の2種類があります。この防火対象物は消防法施行令別表第1(通称、政令別表第1)という表で細かく分けられていて、20種類(項)あります。それを以下に記載していきます。

1項・イ

劇場、映画館、演芸場、観覧場など

1項・ロ

集会場、公会堂など

2項・イ

キャバレー・カフェー・ナイトクラブその他これらに類するもの

2項・ロ

遊戯場・ダンスホール

2項・ハ

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗、その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの

2項・ニ

カラオケボックスやインターネットカフェ、漫画喫茶(利用者を個室利用させる施設)など

3項・イ

待合・料理店(割烹・料亭など)これらに類するもの

3項・ロ

飲食店(食堂・レストランなど)

4項

物品販売店・展示場(百貨店やマーケット)

5項・イ

旅館、ホテル、宿泊所、その他これらに類するもの

5項・ロ

下宿、共同住宅、寄宿舎

6項・イ

病院・診療所・助産所(1~4まで細分化)

6項・ロ

特別養護老人ホーム(自力避難が困難な要介護者を入居させる施設等)など(1~5まで細分化)

6項・ハ

老人デイサービス、老人福祉センター(入居や宿泊を伴わないもの)など(1〜5まで細分化)

6項・ニ

保育園・特別支援学校

7項

小学校、中学校などの各種学校その他これらに類するもの

8項

図書館・博物館・美術館その他これらに類するもの

9項・イ

公衆浴場のうち、蒸気浴場・熱気温泉その他これらに類するもの(サウナ風呂、岩盤浴、ソープランドなど)

9項・ロ

上記9項・イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場(銭湯、鉱泉浴場、砂湯など)

10項

車両の停車場、船舶や航空機の発着場など(旅客の乗降や待合いに使われる建築物)(バスターミナルなど)

11項

神社・寺院・教会その他これらに類するもの

12項・イ

工場、作業場

12項・ロ

映画スタジオ、テレビスタジオなど

13項・イ

自動車車庫・駐車場

13項・ロ

飛行機・ヘリコプター等の格納庫

14項

倉庫

15項

上記に類さない防火対象物(事務所、銀行など)

16項・イ

特定用途防火対象物が入る複合用途防火対象物

16項・ロ

上記以外の複合用途防火対象物

16の2項

地下街(地下の工作物内に設けられた店舗や事務所その他これらに類する施設)

16の3項

準地下街(建築物の地階(上記16の2項に掲げるものの各階を除く)で連続して地下道に面して設けられたものと、この地下道とを合わせたもの)(1〜4項、5項イ、6項、9項イに掲げる防火対象物の用途に使用される部分があるものに限る)

17項

重要文化財等の建築物

18項

延長50m以上のアーケード

19項

市町村長の指定する山林

20項

総務省令で定める舟車(しゅうしゃ)

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以上が政令別表第1になり、そしてオレンジ色の項が特定防火対象物になります。

この特定防火対象物の中で特に消防用設備や防火管理等を特に厳しくされているのが2項と6項です。

以前にカラオケボックスや風俗店の入る雑居ビル等で多数の死傷者がでる大規模火災が発生したためにこれらの防火対象物は厳しくなっています。

また病院や診療所でも死傷者がでる火災があり、これらの火災により消防法も大きく改正されました。

これらの防火対象物はいざ火災が起きると大惨事になりやすいので消防署も目を光らせています。

歌舞伎町ビル火災 – Wikipedia
大阪個室ビデオ店放火事件 – Wikipedia
福岡市整形外科医院火災 – Wikipedia

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6項・イの病院の細分化

病院の診療科目(内科、眼科とか)や病床の数などによって(1)~(4)に細分化されています。

6項・イ(1)

特定診療科目がある・療養病棟または一般病床がある

6項・イ(2)

特定診療科目がある・4人以上の患者を入院させるための施設がある。

6項・イ(3)

上記(1)・(2)以外の病院や有床診療所、有床助産所

6項・イ(4)

無床診療所及び無床助産所

特定診療科目・・・産科・婦人科・産婦人科・眼科・耳鼻いんこう科・皮膚科・歯科・こう門外科・泌尿器科・小児科・乳腺外科・形成外科・美容外科(患者自ら、または、誘導により自力で避難することができると考えられる科目)の13科目

この細分化も上記福岡市の火災を受けて消防法が改正されて細分化されました。

この改正でスプリンクラー設備の設置を要する防火対象物の規模も見直されています。特に6項・イ(1)と(2)、6項ロはスプリンクラー設備は基本的に面積に関係なくすべてに義務設置されるようになりました。

6項・ロの細分化

6項・ロも(1)~(5)まで分かれていますので解説させていただきます。

6項・ロ(1)

養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保険施設などの、避難が困難な要介護者を主として入居、宿泊させる施設。

6項・ロ(2)

救護施設

6項・ロ(3)

乳児院

6項・ロ(4)

障害児入所施設

6項・ロ(5)

障害者支援施設(主として避難が困難な障害者等を入所、宿泊させる施設)

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6項・ハの細分化

6項・ハも(1)~(5)まで分かれていますので解説させていただきます。

6項・ハ(1)

老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム(6項・ロに掲げるものを除く)、老人福祉センター、老人介護支援センターなど

6項・ハ(2)

更生施設

6項・ハ(3)

助産施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童養護施設、児童自立支援施設など

6項・ハ(4)

児童発達支援センター、児童心理治療施設、放課後等デイサービスなど

6項・ハ(5)

身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、など

複合用途防火対象物とは

文字通り複数の防火対象物が入っている防火対象物をいいます。

例えば五階建てのオフィスビルがあるとして、事務所用途(政令別表第一の15項)だけしか入っていなければこのオフィスビルは15項になりますが、1階がコンビニなどの物品販売店、2階がだれでも利用できるレストランがある場合に、物品販売店→4項、レストラン→3項・ロになり、15項、4項、3項ロが1つの建物に混在するので複合用途の16項・イになります。

ただし、令8区画機能従属、みなし従属などを適用する防火対象物を除きます。

3項・イとロの違い

3項・イの料理店と、ロの飲食店の違いってなんでしょう?同じ食事するところなんだから同じじゃないの?と思うところですが違うんです。

3項・イ(割烹・料亭など)は風俗営業に該当するもの、3項・ロ(食堂・レストランなど)は風俗営業に該当しないものになります。同じような区分でも違うんですね。

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

防火対象物の種類がいっぱいあるということ、なんとなく御理解いただけたでしょうか?

とある消防署の人が言っていましたが、消防学校に入校したときにこの政令別表第一を丸々答える試験があったそうで、暗記するのにすごい苦労したって話をしていましたがそりゃそうですよね、こんなにいっぱいあるんですから。