消火栓等の配管について

皆さんこんにちは。

先日、とある体育館の屋外消火栓を点検したところ、体育館内を通っている消火栓露出配管の支持が取れて配管がぶらさがっていました。中には配管が折れ曲がったり、継ぎ手が割れていたりとかなりすごい状態でした。

ですので今回は消火栓などの消火設備に使用できる配管や継ぎ手、配管支持などをお話させて頂きます。

スポンサーリンク

配管の規定

消防用設備等に使用できる配管などは消防法により規定があります。(消防法施行規則第12条第1項第6号参照)

配管は消防用設備等専用で、かつ、消火設備ごとに専用(他の消火設備との共用不可、一部例外あり)とし、金属管の場合は日本工業規格(JIS)に定められた配管を使用して、合成樹脂管の場合は気密性や強度などを有するものとして基準に適合したものを使用しなければなりません。

また、加圧送水装置(ポンプ)の吐出し側のすぐ近くに逆止弁と止水弁を設けなければならないなりません。

吸水管も消火設備のポンプごとに専用として、ろ過装置を設けることとされています。

ポンプより水源が高い場合(床上水槽など)には止水弁(仕切弁)とろ過装置(Y型ストレーナなど)を設けます。

ポンプより水源が低い場合(地下水槽など)にはフート弁を設けます。ろ過装置にはフート弁附属のろ過網も含まれていますので、Y型ストレーナなどは特に必要ありません。

フート弁には簡単に弁の点検を行うことができることとされていますので、ワイヤーや鎖で弁の開放を行う装置が付属しています。

使用することができる鋼管は以下に基準に適合するものになります。

  • JIS G3442…水配管用亜鉛メッキ鋼管(SGPW)
  • JIS G3452…配管用炭素鋼鋼管(SGP)
  • JIS G3454…圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)
  • JIS G3448…一般配管用ステンレス鋼管(SUS-TPD)
  • JIS G3459…配管用ステンレス鋼管(SUS-TP)

また、上記の鋼管以上の強度や耐食性、耐熱性を有する金属管なら使用することができます。

一般的に用いられる鋼管はSGPが多いですがこのSGPにも種類があって、腐食防止の為の溶融亜鉛メッキをほどこしたもの(通称、白管)、外面や内面に被覆(ライニング)を施してあるもの(SGP-VAやSGP-VSなど)があります。

配管施工時に、腐食防止措置の無い配管(SGP黒管など)を使用する場合は、腐食防止の措置(塗装など)を取らなければなりません。

凍結が予想される部分の配管には、凍結予防措置(保温材などを使用しての保温ラッキング等)を行う必要があります。

合成樹脂管の場合は、(財)日本消防設備安全センターの登録認定を受けたポリエチレン管が使用できます。(株式会社クボタケミックス様の消火用ポリエチレン製品など)

使用できる管継手

上記配管と同じく使用できる継ぎ手も決められています。

以下の日本工業規格に適合しているものや、これ以上の強度や耐食性、耐熱性を有した適合品でなければ使用できません。

フランジ継手

ねじ込み式の管継手

JIS  B2220(鋼製管フランジ)

JIS  B2239(鋳鉄製管フランジ)

溶接式継手

JIS  B2220(鋼製管フランジ)

フランジ継手以外の継手

ねじ込み式継手

JIS  B2301(可鍛鋳鉄製管継手)

JIS  B2302(鋼管製管継手)

JIS  B2308(ステンレス鋼製管継手)

上記継手のうち材料にJIS  G3214(圧力容器用ステンレス鋼鋳鋼品)又はJIS  G5121(ステンレス鋼鋳鋼品)を用いるもの。

溶接式鋼管用継

JIS  B2309(一般配管用ステンレス鋼製突合せ溶接式管継手)

JIS  B2311(一般配管用鋼製突合せ溶接式管継手)

JIS  B2312(配管用鋼製突合せ溶接式管継手)

JIS  B2313(配管用鋼板製突合せ溶接式管継手)

上記継手のうちJIS  G3468(配管用溶接大径ステンレス鋼鋼管)を材料とするものを除く。

合成樹脂製の管継手の場合は、合成樹脂製であってなおかつ、気密性、強度、耐食性や耐熱性を有するものとして認定を受けている(基準に適合している)ものを使用することができます。

ここで1つ確認ですが、上記規定にはねじ込みかフランジを用いると規定されていますので、いわゆるゴムパッキンによるシール構造の継手(ネジなし鋼管用継手と呼ばれるもので、通称LA継手。)(消防認定品を除く。)はこの規定にはありませんので、消火栓などの消防用設備等の継手には用いることができません

このネジなし鋼管用継手は配管にネジを加工せずにそのまま使用できる継手なので非常に便利で多用されますが、消防用設備等の配管では規定が異なり使用できませんので注意が必要です。

ねじ込み継手を使用する場合に、配管にネジ加工した部分は腐食しやすいので、ねじ込み継手を施工した後に腐食防止措置(溶融亜鉛塗装など)を行うのが望ましいです。

スポンサーリンク

バルブ類の規定

上記では配管や継手の規定についてお話させていただきましたが、バルブ類にも規定がありますのでお話させていただきます。

材質については以下の通り

JIS  G5101(炭素鋼鋳鋼品)

JIS  G5501(ねずみ鋳鉄品)

JIS  G5502(球状黒鉛鋳鉄品)

JIS  G5705(黒心可鍛鋳鉄品に限る)

JIS  H5120(銅及び銅合金鋳物)

JIS  H5121(銅合金連続鋳造鋳物)

上記のものと同等以上の強度や耐食性、耐熱性を有するものとして認定を受けている(基準に適合している)ものを使用することができます。

開閉弁や止水弁、逆止弁の場合は以下の規格に適合するものになります。

JIS  B2011(青銅弁)

JIS  B2031(ねずみ鋳鉄弁)

JIS  B2051(可鍛鋳鉄弁及びダクタイル鋳鉄弁)

上記以外の玉型弁、バタフライ弁、ボール弁などのバルブ類を使用する場合には認定品又は評定品を使用すること。

上記のものと同等以上の性能を有するものとして認定を受けている(基準に適合している)ものを使用することができます。

バルブ類は設置場所の使用圧力値以上の圧力にも耐えられるものを用いること。(締切圧力の1.5倍以上の水圧に耐えられるもの)

また、開閉弁や止水弁には開閉の方向の表示がされているもの、逆止弁には流れる方向を表示されているものであることという規定があります。

配管の支持間隔

配管を配置するのに配管を押さえておかないといけませんが、配管の支持にも配管の太さにより支持の間隔が決まっていますので説明させて頂きます。

横引き配管の時は、吊り棒による支持か、型鋼振れ止め支持(三角アングルなど)を使用します。

縦引き配管の場合は、型鋼振れ止め支持を用いて、最下階の床で固定して、以降は各階で1ヶ所以上固定を施します。

  • 20A以下の場合、1.8m以下ごと
  • 25~40Aの場合、2.0m以下ごと
  • 50~80Aの場合、3.0m以下ごと
  • 100~150Aの場合、4.0m以下ごと
  • 200A以上の場合、5.0m以下ごと

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

今回は配管等に使用できるものとしていろいろお話させていただきましたが、単純に難しいことはなくて一般に流通している配管や継手、バルブなどはJIS(日本工業規格)に適合しているものが流通していますので、売っているもの=JISに適合していると考えて頂いて大丈夫だと思います。

またポンプの吐出し側に設ける止水弁(メインバルブ)と逆止弁やその他バルブ類は上記JIS規格に適合しているものを用いれば、俗に言う消防認定品を使わなくても良いのですが、所轄消防によっては例えばJIS  B2051に適合している止水弁を使おうとしているのに、消防認定品を使ってくださいということを言う消防もいるので注意が必要です。

まぁ金額は張りますが、あらかじめ消防認定品のバルブ類を使用しておけば問題ありません。

当ブログでは以前にもお伝えしましたが「所轄消防による所が多い」ですので、何事も事前に所轄消防に相談されることをおすすめします。