皆さんこんにちわ。
今回は非常電源(蓄電池設備)の点検票の記入例をお話していこうと思います。
記入例では、キュービクル式自家発電設備の内部に設置されている鉛蓄電池のベント式(電解液が目視できるタイプ)を例にお話していきます。
今回も○○に限るとか、○○は除くといった部分がありますので注意しましょう。
点検票記入例
点検票 その1
記入例では、鉛蓄電池の電解液が不足していたので、精製水を規定量まで補充してという改善が記載されています。
蓄電池設備に関わる整備や修理は「蓄電池設備整備資格者」の有資格者が行うのが適当とされています。
これは火災予防条例等で、蓄電池設備の点検や整備などは必要な知識と技能を有するものに行わさせるとなっていますので、蓄電池設備の整備等はこの蓄電池設備整備資格者の有資格者が行う必要があります。
電解液の比重や電圧などはすべてのセルを測定して、結果は点検票付帯(4枚目)の「蓄電池充電記録」の表にまとめて、その下限と上限を点検票のその1に記載しています。
記入例 その2
2枚目では充電装置の部分になり、充電装置に関わる部分の記入になります。
開閉器・遮断器は、充電装置内にあるブレーカーの詳細を記載して、交流入力電圧は充電装置の元電源の電圧を記載しています。
充電方式は鉛蓄電池(ベント式)ですので浮動充電方式となり、その充電電圧を記載して、均等充電電圧は均等充電を行った時の電圧値を記載しています。
出力電流や負荷電圧(電流)は、それぞれの時の値を記載しています。
記入例 その3
点検票のその3は総合点検の部分も入ってきます。
各項目の点検有無は設置してある蓄電池の種類や充電方式によって変わりますので、一概に言えません。
例えば今回の鉛蓄電池(ベント式)の浮動充電方式の場合なら、蓄電池は充電装置と負荷機器と並列に接続されていますので、切替装置はありません。
また、警報動作も警報を取っている設備(ヒューズ断とか電源断など)の場合には点検及び記載が必要になります。
蓄電池充電記録
こちらは点検票ではなく、付帯の記録表になります。
各蓄電池のセルについて点検結果を記載していきます。
各セルの比重、電圧、セルの電解液温度などを計測して記載していきます。
この表を毎回記載していればそれぞれのセルについてのデータが取得でき、そのデータに基づき蓄電池の交換時期や整備時期を把握することができるので、面倒でも点検毎に測定記載するのが良いでしょう。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は非常電源(蓄電池設備)の点検票の記入例をお話させていただきました。
蓄電池は種類が多岐にわたるので、一概にこの記入方法で大丈夫だというのはありません。
上記でもお話しましたが、鉛蓄電池ひとつとってもベント式や制御弁式などがあり、それぞれで点検を行うべき機器が変わってきますので、よく確認する必要があります。
自家発電設備の始動に用いる蓄電池設備では、最近はベント式よりも制御弁式の鉛蓄電池が多く採用されていきていますので、制御弁式の鉛蓄電池に関わる機器(切替装置など)を良く確認しましょう。
今回は自家発電設備始動用鉛蓄電池を例にとりましたが、他には誘導灯の非常電源用蓄電池やガス系消火設備の非常電源、パッケージ型自動消火設備の非常電源など、いろいろな機器に使われていてそれぞれでまた点検対象機器が変わりますが、基本は変わらないのでよく見ていけばわかると思います。