自動火災報知設備のよくある話

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皆さんこんにちは。

もうすぐゴールデンウィークになりますが、皆さんはお休みですか?私は休みます(笑)。

以前はGWなどの長期休暇でしか消防点検出来ない物件があり、GWとお盆休みはありませんでしたが、その物件も他業者が点検することになりここ数年はGWなどはお休み頂いています。

ちょっと脱線しましたが、今回は自火報のよくある話をしていこうと思います。

消火ポンプのよくある話を下記の記事で紹介していますので参考にしてください。

消火栓ポンプのよくある話
この記事では消火設備のポンプについて意外と知らない事について 締切運転時の電流値はなぜ小さいのか?逃がし管の役割とは?締切運転と性能運転の違い?オリフィス式の流量試験装置の使用方法などを詳しく解説していますので見て損はありません。

 

消防用設備等の意外としらない話もありますので下記の記事から確認できます。

消防用設備等の専門的なお話
この記事では消防用設備の意外と知らないことをお話しており、消火器の赤色が赤色以外になると不良?消火器の標識の規格?自火報のT型発信機とは?予備電源と非常電源の違いとは?これらを詳しく解説していますので見て損はありません。

 

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煙感知器感度試験器について

皆さんの会社ではどのメーカーの感度試験器を使っていますか?私の会社では20年以上前に製造されたホーチキ製の試験器を使っています。

線香棒を使って感度を測る試験器ですが、他のメーカーだと電圧で測定したり、専用の発煙材で発煙して測定したりいろいろあります。

この20年以上前のホーチキ製の感度試験器ですが、イオン式の感知器も光電式の感知器も両方測定出来て、なおかつ市販の線香棒で測定出来るので意外に重宝しています。

もちろん3年ごとに機器更正に出しているので安心して測定できます。ですが測定時に線香の匂いがする&煙が出るので屋内では測定出来ないのがネックです。

最近、同業の会社がパナソニック電工から専用の発煙材を使った感度試験器を買ったというので見せていただきました。

見た感じは意外にコンパクトで軽いです。一番に感じたのは測定時に匂わない&煙が出ないということです。上記の様にホーチキ製は線香棒で測定するので匂いと煙が出て屋内では測定出来ないので「これはいいなー」と思ったことです。

でも良いことばっかりではないようで、使用感想を聞いてみたら

  • 発煙材にオイルを使うので測定した感知器にオイルが微量付着するので、感知器は良く拭かないといけない。
  • 光電式専用の試験器なのでイオン式の感知器は測定出来ない。
  • 測定開始時に発煙材のオイルを温めるのに少し時間がかかる。(3分くらい)
  • でもオイルの使用料は微量なのでコスパは良い。

と言っていました(※あくまでも一個人の使用感想です)。

イオン式の感知器もあまり見かけなくなったとはいえ、まだ設置されている防火対象物があるので光電式専用だとちょっと心配かなーと思いました。でも最悪はイオン式から光電式に感知器交換しちゃいますが(笑)

 

自己保持感知器の試験復旧が出来ない受信機について

皆さんが点検している物件の自火報受信機は新しいですか?古いですか?。

まだまだ古い受信機(型式失効になるかならないか)を使っている物件があると思いますが、そういう受信機って試験復旧をONにしていても煙感知器のように自己保持する感知器は試験復旧(自動復旧)しないものが多いと思います。

普段は点検者が1人受信機の操作&窓確認をするけど、今回は人が足らなくて受信機の確認&操作をする人がいないなんて時に皆さんはこの煙感知器の復旧はどうしていますか?

例えば↓

  • 1個試験して発報したら受信機に行って復旧ボタンを操作する。
  • 発報したら感知器を外して再度取り付け。
  • 受信機にタイマーを取り付け発報したら強制的に復旧させる。

などの方法があると思いますが、私がお勧めする方法は…

煙感知器と同じ警戒区域の発信機を押す(接点を作ってあげる)

です。この方法のメリットは

  • いちいち受信機に行かなくてもいい。
  • タイマーをセットする手間が不要
  • 感知器を外さないので脚立・脱着器が不要

ですが、デメリットもあります。

  • 階段やELVなどの発信機のない回路には使えない。
  • 発信機のカバーを外さないといけない。もちろん外したら取り付ける
  • 消火栓連動を遮断しておかないと消火栓が起動する。

などのデメリットもあるので全ての物件に通用するとはいきませんが、知っていて損は無いと思います。(受信機の試験復旧は有効にしておく)

もちろん発信機を押さなくても、端子台や配線短絡などで接点を作っても復旧できます(コモン線と感知器線をショートさせる)。

あとは感知器線を断線(短絡台から浮かすなど)させても復旧できるので自火報点検する人は覚えておいて損はないです。出来れば古い受信機はリニューアルしましょう(笑)

でも基本は受信機に一人、現場に一人以上です。

 

感知器のすぐ横にエアコンが設置されていたら…

これもよくあるパターンです。

今までは壁掛けのルームエアコンで、感知器から離れていたのに次来てみたら、天井埋め込みのエアコンになっていて、しかも吹き出し口のすぐ横に感知器があるではありませんか!さてこんなときあなたはどうしますか?

  1. 感知器が差動スポットなので非火災報予防の為に定温式特種に替える。
  2. 感知器に厚紙などで風除けを付けてエアコンの温風が当たらないようにする。
  3. 感知器を吹き出し口から1.5m以上離れた場所に移設する。
  4. エアコン本体を感知器から離れた位置に移設する。

これはもちろん3が正解ですが、実際に客先にどのように説明して移設工事を了承してもらうかが問題だと思います。

エアコン工事を行ってすぐならエアコン工事業者に請求といったことも可能かもしれませんが、なかなかできるものではありませんよね。

ではどのように客先に説明するか?自火報点検票は不良なしにして、非火災報のおそれがあるので移設が必要ですと言いますか?

これだと客先は実際に非火災報が起きたら移設しようとなってしまいます。

客先では何も利益を生まない消防用設備にはお金をかけたくないのが本音です。

なので私は自火報点検票のその2の感知器の機能障害欄を✕にして「エアコンの吹き出し口が1.5m以内にある為感知器の機能障害」という不良にして移設工事をお願いしています。

実際に自火報の工事要領にも「エアコン等の吹き出し口から感知器を1.5m以上離すこと」と明記されており機能障害になるからです。

これは煙感知器でも熱感知器でも同じです。点検票が不良になると客先も移設工事を快諾…とまではいきませんが了承してくれるでしょう。

消防が立ち入りに来れば吹き出し口のすぐ横に感知器が設置されているのを見て間違いなく一言言うと思います。

確かに、不良箇所があります…なんて言いづらいと思いますが、客先の為、自分達の為にも不良は不良とハッキリするべきです。うやむやにしていると後々しっぺ返しを受けますから(笑)

 

あとがき

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は雑談になりましたがたまには良いかなぁと思い記事にしました。感度試験器は電圧で測定するものもありますが、これがまた測定に時間がかかるんです(笑)。

基準電圧が0.50vとして、測定を始めると0.20vくらいから0.01vづつゆっくりと電圧を上げていくので時間がかかるんです。

でもディスプレイが付いていて不良なら「フゴウカク」と表示されるのでわかりやすいです。

ですが私個人的には煙感知器の感度を測るのに、煙濃度じゃなくて電圧で測定するのってどうなの?と思います(笑)。

まぁ防災メーカーじゃ知らない人はいないと言って良いほどの超有名メーカーがだしてる機器なので間違いないのでしょうけど私個人的には疑問符です(笑)。

もちろんその有名メーカーの煙感知器しか測定できないので、他社製の感知器は他社の感度試験器が必要になります。