不活性ガス消火設備の点検票 記入例

皆さんこんにちは。

今回の記事では、タイトル通り不活性ガス消火設備の点検票の記入例を説明していこうと思います。

不活性ガスは二酸化炭素方式と窒素ガス方式(アルゴナイトとイナージェン含む)の2通りがあるので、記入例も2通りで説明していきます。

また、容器弁の安全性の部分の記入例についてはこちらに詳細があります→容器弁の安全性に係わる点検について

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二酸化炭素放出方式の記入例 その1

最初の点検票記入例では、消火剤が二酸化炭素、放出方式は全域のみ、放射区画は3箇所でサーバー室、CRT室、電気室になります。

二酸化炭素方式 点検票その1 記入例

消火剤は1階のボンベ室に55kgボンベが10本貯蔵されていて、ボンベ室内は室温20℃です。

室温は液面計で液面測定したあとの換算する際に必要になりますので、ボンベ室の室温を測定するクセをつけると良いでしょう。

ボンベ室入口の標識が脱落していたという不良があったので、再度貼り付けて改善しました。

消火剤容器弁の型式(よー〇〇)を記入します。安全弁と安全装置の安全性に関しましては、点検票に記載はありませんが、容器弁の製造年(又はボンベ設置年)から25年を超えていないということで、「該当なし」になっています。

起動用ガス容器等では、起動用ボンベの容量や本数を記入して、こちらでも起動用ボンベの容器弁と安全装置の安全性について記載しますが、25年を超えていないということにしてあります。

起動用ボンベの容器弁開放装置の台数を記載して、型番などがあれば記載しても良いと思います。

二酸化炭素放出方式の記入例 その2

二酸化炭素方式 点検票その2 記入例

その2では、選択弁や操作管、警報装置や起動装置、制御盤などの記入になります。

選択弁は前述の通り3系統なので3台、操作管に緩みがあったので増し締めしました。この操作管や連結管の緩みは意外にあるので、点検毎にしっかり確認することをおすすめします(特に液面測定で消火剤ボンベを外したりする場合)。

手動起動装置が各区画ごとに1台づつ計3台あり、その起動装置の前に物品があり操作障害だった為撤去しました。

また起動装置内の保護カバーが破損していたのでこれも交換して改修済です。

警報装置は、スピーカーが各区画ごとに1台づつで計3台です。「火事です。消火剤を放出します!おちついて避難してください!」というやつです。

制御盤はボンベ室内に壁掛型のものがあり、5回線ありますが使っているのは3回線です。

設定遅延時間は30秒で自動で放出しないので、自動・手動切替装置はついていません。

二酸化炭素放出方式の記入例 その3

二酸化炭素方式 点検票その3 記入例

その3は、配管や放出表示灯、噴射ヘッド、防護区画、非常電源やホース等になります。

記入例では、配管の閉止弁は80Aで、配管の途中に安全弁がついています。

放出表示灯は7台で、噴射ヘッドは18台、開口部の閉鎖装置は圧力ダンパーが4台あります。

防護区画に隣接する部分の注意銘板が脱落していたので再度貼り付けて改善しました。

非常電源はNi-cd蓄電池で、容量はDC24Vで10Ahあり、端子電圧は25Vでした。

ホース等や表示灯は移動式だけの部分になりますので記入していません。

二酸化炭素放出方式の記入例 その4

二酸化炭素方式 点検票その4 記入例

その4は総合点検の部分になりますので、機器点検では全て斜線になりますが、今回の記入例では総合点検で記載してあります。

今回は全域放出方式だけですので、記載も全域放出方式だけになります。

警報装置の台数や測定した遅延時間、開口部の閉鎖装置や放出表示灯の個数などが記入されています。

点検票のその1~3で記載しきれなかった項目があれば備考に記載します。

この記入例では、放射区画と制御盤の詳細、不良を改善した人物と試験用ガス放射区画を記載しました。

二酸化炭素方式は局所放出や移動式もあるので、もし設置があれば記入をします。

二酸化炭素放出方式の記入例 その5

二酸化炭素方式 点検票その5 記入例

点検票その5は、設置してある消火薬剤貯蔵容器の詳細になります。

ボンベに記載のある容器重量(W)、に容器弁の重量を合計した空重量と、薬剤の重量を足すと全重量になります。

液面測定で薬剤重量を換算した重量と空重量を合計すれば全重量になります。

実際にボンベの重さを測定すれば一番正確だと思います。気温で液面の高さは変動しますが、重さは温度に関係なく一定なので。

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窒素ガス放出方式の記入例 その1

窒素ガス方式 点検票その1 記入例

こちらでは、二酸化炭素方式ではなくて窒素ガス方式の記入例になります。

点検票その1は基本的に二酸化炭素方式とそんなに変わりません。

窒素ガス方式に低圧式はありませんので全て斜線になります(低圧式は二酸化炭素方式のみ)。

起動用ガス容器には二酸化炭素を使用しているものがほぼほぼだと思います。

窒素ガス放出方式の記入例 その2

窒素ガス方式 点検票その2 記入例

点検票その2の部分も基本的には二酸化炭素方式と変わりません。

窒素ガス方式は自動式起動装置(感知器や切替装置など)があるものがほとんどですので、この自動起動装置の部分を記入します。

また遅延時間は比較的短く、極端なものだと0秒とかありますが、だいたい4~10秒くらいになります。

窒素ガス放出方式の記入例 その3

窒素ガス方式 点検票その3 記入例

点検票その3では、二酸化炭素方式特有の設備である閉止弁は窒素ガス方式ではありませんので斜線になります。

また窒素ガス方式にある圧力上昇防止措置の避圧口や避圧ダンパーがあれば記入します。

防護区画に隣接する部分の保安措置とホース等、表示灯・標識(移動式)は、二酸化炭素方式だけですので斜線になります。

窒素ガス放出方式の記入例 その4

窒素ガス方式 点検票その4 記入例

点検票その4の総合点検の部分も基本的には二酸化炭素方式と同じです。

窒素ガス方式には局所放出方式と移動式はありませんので記入部分は全域放出方式の部分だけになります。

点検票その1~3で記入しきれなかった項目や特記事項は備考に記載します。

例えば自動起動装置の起動方式(専用の熱感知器と煙感知器のandで起動とか、専用の感知器と自火報の火災信号のandで起動とか)を記入するのも良いと思います。

窒素ガス放出方式の記入例 その5

窒素ガス方式 点検票その5 記入例

点検票その5では、二酸化炭素方式は重量を記載していましたが、窒素ガス方式では圧力を記入します。

容器弁によっては、付属で圧力計が付いているものや、3/8のネジが切ってある部分に圧力計を付けて容器内圧力を測定できるものもあります。

圧力計や検圧治具で測定した圧力値を点検票に記載します。

窒素ガスの圧力は温度で変動しますので、ボンベ室内の温度の測定を忘れずに。

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

点検票を記入する際には二酸化炭素方式だけ記載する部分や、窒素ガス方式だけ記載する部分がありますので、以前の記事で解説した部分を参考にして頂いて記入してください。

不活性ガス消火設備に限らず、○○に限るといった部分は他の設備にもありますので、点検票記入の際は気をつけてください。

例えば避難器具の救助袋で、斜降式特有の固定環は垂直式の救助袋にはありません。この場合は「斜降式に限る」になります。