皆さんこんにちは。
今回はパッケージ型自動消火設備の点検票記入例についてお話させていただきます。
いつも申し上げていますが、この記入例はあくまでも例になりますので、この記事を参考にされる場合はあらかじめご了承ください。
点検票記入例 その1
点検票のその1(1枚目)はパッケージと、(蓄圧式・加圧式)消火薬剤貯蔵容器等の記入部分になりますが、今回の記入例では加圧式での記入例になっています。
パッケージの部分は、パッケージの設置場所(周囲の状況)や型式(表示)、同時放射区域の記入部分になります。
パッケージの点検の際に周囲温度を測っておきましょう。後の加圧用ガスボンベの圧力の確認に必要になります。
また、容器弁や安全装置の安全性に関する部分の記入については下記の記事を参照してください。
点検票記入例 その2
点検票のその2(2枚目)は作動装置や受信装置、感知部や選択弁などの部分になります。
最初の作動装置の部分で、「手動作動装置」の部分は手動によりパッケージ型自動消火設備を起動することができる装置がある場合に(◯か✕を)記入します。
基本的には2つの感知部が作動しないとパッケージ型自動消火設備は起動しませんが、それを手動にて起動することができる装置がある場合にはそれを確認して記入します。
今回の記入例では、放出口の付近にダンボールがあり放出障害(スプリンクラーでいう散水障害)になっていたのでダンボールを撤去しました。
また非常電源の部分は、内蔵型の場合には点検票に点検結果を記入することで大丈夫ですが、内蔵型以外の場合には別途非常電源(蓄電池設備など)の点検票を添付しないといけないので注意しましょう。(所轄消防によります。)
点検票記入例 その3
点検票のその3は総合点検の部分になります。
点検票に「パッケージ型自動消火設備の連動」という記入欄がありますが、ここは1つの同時放射区域で感知部などが作動した場合において、複数のパッケージが同時に作動(連動)する機構がある場合に(○か×を)記入します。
筆者が点検したことのあるパッケージ型自動消火設備にはこの連動の機構がありましたが、もしこのようなパッケージ型自動消火設備がある場合には記入になります。
また備考欄には
- 同時放射区域の数
- 感知部の個数
- 総合点検で行った内容
- 表示盤(警報盤)の場所と個数
などを記載していますが、他に必要な事項があれば記載しておくと良いと思います。
総合点検で行った事項についても記載してありますが、他にも試験用ガスに窒素ボンベを使用して放射試験をしたとか、放射試験で使用したボンベは耐圧試験とガス充てんを行い戻したなども記入することができます。
点検票記入例 その4
点検票のその4は各パッケージに設置されている消火薬剤量や加圧用ガスボンベの点検結果を記載する部分になります。
実際に計測した値を記入していきますが、消火薬剤量はキャップなどを外して貯蔵容器(タンク)内の薬剤の液面高さを測定して、その高さと貯蔵容器の容量を計算して求めます。
一回計測しておけば次回からは液面高さだけ測定して、前回と変化がなければ前回と同じ量となります。
加圧用ガス容器の方は、圧力調整器が付いていますので、圧力調整器の2次側配管を外してから密栓(又はバルブ閉)をしてバルブハンドルをゆっくり開放して圧力調整器にガスを導入して、圧力調整器の1次側と2次側の圧力値を計測します。
計測が終わったら必ずバルブハンドルを閉めてから圧力調整器の2次側にしてある密栓(又はバルブ)をゆっくり開けて徐々にガスを抜いていきます。
ガスが抜けたら外しておいた配管などを元通りにしておきます。意外にバルブの開け(閉め)忘れや配管接続忘れがありますのでしっかり指差呼称して確認しましょう。
ちなみに加圧用ガス容器(窒素ガス)の規定量ですが、これは高圧ガス保安法により充填圧力が決まっていて、35℃において14.7Mpaとなっていますので覚えておくと良いでしょう。
また、二酸化炭素ガスは圧力値ではなく重さを基準に充填されていますのでこれも覚えておいて損はありません。
まとめ
最後までご覧頂きありがとうございます。
今回の記事にてパッケージ型自動消火設備のお話は終了になります。
点検票の記入について、パッケージ型消火設備の点検票(その1)とあまり変わらない部分がありますので、パッケージ型消火設備を点検票を記入したことがある方は「なんか見たことあるぞ?」と思うかもしれません。
また「手動作動装置」などは、設置されているパッケージ型自動消火設備のメーカーなどによってあったりなかったりしますので、よく確認しておきましょう。
連動に関しては、同時放射区画のとり方(設計のやり方)によっては設置のある可能性があるので、同時放射区画図や設置届出書をよく見てみましょう。
最後に加圧用ガス容器の測定(点検)は、基本的に窒素ガスのものは圧力測定、二酸化炭素ガスのものは重量測定になります。メーカーによっては窒素ガスでも重量測定を指定しているものもありますので点検時によく確認しましょう。