パッケージ型自動消火設備の点検要領 その2

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皆さんこんにちは。

前回の記事に続いてパッケージ型自動消火設備の点検要領をお話していこうと思います。

その2では

  • 作動装置
  • 受信装置・中継装置
  • 感知部
  • 選択弁
  • 放出導管
  • 放出口
  • 非常電源

の部分になります。

前回の記事は下記のリンクからご覧いただけます。

パッケージ型自動消火設備の点検要領 その1
この記事ではパッケージ型自動消火設備の点検要領を解説しています。解説の範囲は点検票のその1(1枚目)で「パッケージ」「蓄圧式消火剤貯蔵容器等」「加圧式消火剤貯蔵容器等」の部分です。お手元に点検要領が無い場合などにぜひご活用ください。

 

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作動装置

周囲の状況

目視により周囲に使用上及び点検上の障害となるものがないことを確認します。

外形

目視により変形、破損、著しい腐食等がないことを確認します。

表示

目視により汚損、不鮮明な部分がなく、適正に表示されていることを確認します。

手動起動装置

消火薬剤貯蔵容器及び加圧用ガス容器弁開放装置を容器弁から全て取り外した後、鍵等により手動作動して以下を確認します。

    1. 同時放射区域の系統に誤りがないことを確認します。
    2. 警報装置の鳴動が正常であることを確認します。
    3. 火災表示等の作動が正常であることを確認します。
    4. 容器弁開放装置の機能が正常であることを確認します。

 

受信装置及び中継装置

周囲の状況

目視により火災による被害を受けるおそれの少ない位置に設置されて、周囲に使用上及び点検上の障害となるものがないことを確認します。

外形

目視により変形、破損、著しい腐食などがないことを確認します。

表示

目視により以下を確認します。

    1. スイッチ等の名称及び同時放射区域図等に汚損、不鮮明な部分がなく適正であることを確認します。
    2. 銘板等がはがれていないことを確認します。

電圧計

目視により以下を確認します。

    1. 変形、破損等がないことを確認します。
    2. 電圧計の指示値が所定の範囲内であることを確認します。
    3. 電圧計のないものにあっては、電源表示灯が点灯していることを確認します。

開閉器及びスイッチ類

目視やドライバーなど、及び開閉操作により以下を確認します。

    1. 変形、破損、脱落、端子の緩み、発熱等がないことを確認します。
    2. 開閉位置及び開閉機能が正常であることを確認します。
    3. ※装置を作動させるときは、必ず容器弁開放装置を取り外して行う。

ヒューズ類

目視により以下を確認します。

    1. 破損、溶断等がないことを確認します。
    2. 所定の種類及び容量のものが使用されていることを確認します

継電器

目視やスイッチ等の操作により以下を確認します。

    1. 脱落、端子の緩み、接点の損傷、ほこりの付着等がないことを確認します。
    2. 確実に作動することを確認します。

表示灯

目視により変形、破損、脱落、球切れなどがなく、正常に点灯していることを確認します。

結線接続

目視及びドライバー等により断線、端子の緩み、脱落、破損等がないことを確認します。

接地

目視又は回路計により著しい腐食、断線等がないことを確認します。(主電源に電池を用いる場合を除く。)

火災表示灯等

火災表示試験を行い以下を確認します。

    1. 火災表示灯、地区表示装置の点灯(点滅)及び主音響装置の鳴動並びに自己保持機能が正常であることを確認します。
    2. 蓄積式受信装置にあっては、前アによるほか、蓄積の測定時間は、受信装置で設定された時間に5秒を加えた時間以内であることを確認します。
    3. 二信号式受信装置にあっては、前アによるほか、次によること。
      1. 第一信号により主音響装置の鳴動及び地区表示装置の点灯が正常であるこ とを確認します。
      2. 第二信号により主音響装置の鳴動並びに火災表示灯及び地区表示装置の点 灯が正常であることを確認します。

予備品等

目視によりヒューズ、電球等の予備品、回路図などの配線の系統がわかるもの、取扱説明書等が備えてあることを確認します。

 

感知部

感知部の例

外形

目視により変形、破損、脱落、著しい腐食等がないことを確認します。

検出方法

目視により同時放射区域ごとに検出方式の異なる二以上のセンサーで構成されていることを確認します。

機能障害

目視により機能障害となる塗装、覆い等がないことを確認します。

作動等

所定の試験器により確認する。 (同時放射区域ごとに抜き取って確認する。)

    1. 確実に作動することを確認します。
    2. 防護区域及び同時放射区域の表示が適正であることを確認します。
    3. ※可燃性ガス等の滞留により引火のおそれがある場所及び高圧受変電室等の感電のおそれのある場所に設けられた感知器を点検するときは、差動式スポット試験器又は回路試験用押ボタン等の試験器により行う。
    4. ※同時放射区域ごとの抜き取りは、2年で全ての同時放射区域の感知部を確認できるよう抜き取る。
    5. ※その他感知部の点検方法は、自動火災報知設備の感知器の点検要領に準ずるものとする。

自動火災報知設備の感知器の点検要領については下記の記事を参照してください。

自動火災報知設備の点検要領 その2
この記事では自動火災報知設備の点検要領を解説しています。解説の範囲は点検票のその2(2枚目)で「感知器」「発信機」「音響装置」「蓄積機能」「2信号機能」の部分です。お手元に点検要領が無い場合などにぜひご活用ください。

 

 

 

 

 

選択弁

選択弁の例

本体

外形

目視及びスパナ等により変形、破損、著しい腐食、締付部の緩み等がないことを確認します。

表示

目視により以下を確認します。

    1. 破損、脱落、汚損等がないことを確認します。
    2. 直近に選択弁である旨及び当該防護区域並びにその取扱方法を記載した標識、説明板等が適正に設けられていることを確認します。

機能

目視及び手動操作等により開閉機能が正常であることを確認します。

選択弁開放装置

外形

目視により以下を確認します。

    1. 変形、破損、脱落等がなく、選択弁に確実に取り付けられていることを確認します。
    2. 手動操作部には、カバー、ロックピン等が装着され、封印が施されていることを確認します。

機能

    1. 端子部分のカバーを外し、端末処理、結線接続等の状況を確認します。
    2. 当該選択弁に対応する起動装置を操作して選択弁開放装置を作動させる。

上記の操作により以下を確認します。

    1. 端子盤で接続しているものにあっては、端子ネジ部の緩み、端子カバーの脱落等がないことを確認します。
    2. 電気操作、手動操作のいずれも作動が確実であることを確認します。
    3. 弁の「開」状態を示す機能を有するものにあっては、押えレバー等のロックが外れていることを確認します。
    4. ※貯蔵容器の電気式開放装置と連動しているものは、必ずその開放装置を容器弁から取り外しておく。

 

放出導管

管、管継手及び分岐管

目視により以下を確認します。

    1. 変形、破損、著しい腐食等がないことを確認します。
    2. 他のものの支え、つり等に利用されていないことを確認します。

 

支持金具及びつり金具

目視及び手で触れることにより脱落、曲がり、緩み等がないことを確認します。

 

放出口

外形

目視により以下を確認します。

    1. 漏れ、変形、破損、著しい腐食等がないことを確認します。
    2. 他のものの支え、つり等に利用されていないことを確認します。

放出障害

目視により以下を確認します。

    1. 放出口の周囲に消火薬剤の放出を妨げるものがないことを確認します。
    2. 放出口の保護カバーが設置されているものにあっては、保護カバーに破損、脱落等がないことを確認します。
    3. 防護区画の全域に放出できるように取り付けられ、取付け角度が適正であることを確認します。
    4. 間仕切壁、たれ壁、ダクト、棚等の変更、増設、新設等によって放出口が設けられていない未警戒部分がないことを確認します。

 

非常電源及び配線

非常電源は使用している電源により

  • 「第23 非常電源(非常電源専用受電設備)」
  • 「第24 非常電源(自家発電設備)」
  • 「第25 非常電源(蓄電池設備)」
  • 「第26 配線」

の点検要領によること。

ただし、主電源に電池を用いる場合は、当該電池については以下の点検方法及び判定方法による。

目視により以下を確認するします。

    1. 変形、破損、著しい腐食、き裂がないことを確認します。
    2. 電池の交換が容易にできることを確認します。
    3. 所定の種別、定格容量、定格電圧等が適正に表示されていることを確認します。

 

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。

今回の記事では点検票のその2の部分をお話させていただきました。

その中でも感知部の作動等の部分で、「同時放射区域ごとの抜き取りは2年で全ての感知部を確認できるように抜き取る」とありますので、毎回全ての感知部を確認しなくても良いことになります。

例えば同時放射区域が100区域あった場合に、2年で全ての…とありますので、毎年2回点検で2年で計4回の点検を実施できるので、単純に100区域を4回で徐すれば毎回25区域づつ確認していけばことたりる計算になります。

もちろん毎回全ての感知部を確認することができれば最高ですが、点検要領では上記のようになっていますので、最低1/4区域は確認しないといけません。

ごくまれに年1回しか点検させてくれない物件もありますので、その場合は全同時放射区域の1/2区域以上の確認になります。