消防設備士4類の試験対策 消防機関へ通報する火災報知設備

この記事は約5分で読めます。

みなさんこんにちわ。

前回のガス漏れ火災警報設備の機能・規格編に続きまして今回は消防機関へ通報する火災報知設備(以下、火災通報装置)について

  • 火災通報装置とは
  • 火災通報装置の設置基準と省略できる条件
  • 火災通報装置の機能・構造

これらについて解説していきますが今回も重要な所や覚えたい所はアンダーラインを引いていますので参考にしてください。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

火災通報装置の概要

火災通報装置の例

火災通報装置とは写真の様な機器で、電話回線を使うことにより火災の発生を消防機関へ報知してくれる設備になり、予め本体内に音声を録音したROMを設置しておき火災時に消防機関へ電話回線を用いて通報する際に録音した音声を再生して建物の名称や住所や電話番号などを人間が話をしなくても知らせてくれる機械です。

通常であれば火災発生を人間が電話機で119番に通報する際に出火時にパニック状態となっている場合があり正確な住所や建物名などを伝えるのはとても困難ですが、この火災通報装置があれば押しボタン(手動起動装置)1つ操作するだけで119番通報→ROM内の蓄積音声情報により建物の概要を報知することができ、さらに消防機関と通話することもできます。

また防火対象物によっては自動火災報知設備の火災作動と連動して自動的に火災通報装置を起動して119番通報するものもあります。

 

火災通報装置の設置基準

火災通報装置の設置基準は

  • 必ず設置が必要な防火対象物
  • 延べ面積により設置が必要な防火対象物

に分かれていますのでそれぞれ確認していきましょう。

 

延べ面積に関わらず必ず設置を要するもの
  • 病院・診療所で入院施設や宿泊施設があるもの(6項・イ(1)~(3))
  • 特別老人ホームなどの要介護施設(6項・ロ)
  • 地下街(16の2項)
  • 準地下街(16の3項)
自動火災報知設備の設置基準と混同しがちなので注意すること!
(自火報における地下街と準地下街は300or500㎡以上で設置)

 

延べ面積500㎡以上で設置を要するもの
  • 劇場、集会場(1項)
  • キャバレー、ダンスホール、遊技場(2項)
  • デパート、スーパーマーケット(4項)
  • ホテル、旅館(5項・イ)
  • 入院施設や宿泊施設のない診療所等(6項・イ(4))
  • 老人デイサービス、保育所(6項・ハ)
  • 幼稚園、特別支援学校(6項・ニ)
  • 工場・映画スタジオ(12項)
  • 重要文化財(17項)
12項の工場・映画スタジオと17項の重要文化財は非特定防火対象物だが500㎡以上で設置要になる

 

延べ面積1000㎡以上で設置を要するもの

上記以外の防火対象物

3項と9項・イは特定防火対象物だが火災通報装置については1000㎡以上で設置が必要になる

 

複合用途防火対象物

それぞれの用途により上記の設置基準によって設置の可否を決める

 

設置を省略できる条件

自動火災報知設備と同様に設置を省略できる条件がありますので確認していきましょう。

  • 消防機関から歩行距離500m以下の場所
  • 消防機関から著しく離れた場所(10km以上)
  • 消防機関へ常時通報できる電話を設けた場合(ただし以下の防火対象物を除く)
    • ホテル、旅館(5項・イ)
    • 病院や診療所等(6項・イ(1)~(4))
    • 特別養護老人ホーム等(6項・ロ)
    • 老人デイサービスや保育所等(6項・ハ)
常時通報できる電話に携帯電話は含まれません(余談です)

 

火災通報装置の機能・構造

では火災通報装置に求められる機能や構造について確認してみましょう。

まずは火災通報装置の定義は

火災が発生した場合において、手動起動装置を操作すること又は自動火災報知設備の感知器の作動と連動することにより、電話回線を使用して消防機関を呼び出し、蓄積音声情報により通報するとともに、通話を行うことができる装置をいう。

となっており機能・構造については以下の通りです。

  • 手動で操作することにより作動し、消防機関への通報を自動的に開始すること
  • 発信の際、火災通報装置が接続されている電話回線が使用中であった場合には、強制的に発信可能の状態にすることができるものであること。
  • 蓄積音声情報は、119番信号送出後、自動的に送出されることとし、蓄積音声情報の送出は、常に冒頭から始まること。
  • 予備電源については以下の通りとすること
    • 常用電源が停電した場合、待機状態を60分間継続した後において10分間以上火災通報を行うことができる容量を有すること。
    • 常用電源が停電したときは自動的に常用電源から予備電源に切り替えられ、常用電源が復旧したときは、自動的に予備電源から常用電源に切り替えられるものであること。
    • 予備電源は、密閉型蓄電池とすること。
一部を除いて自動火災報知設備の予備電源とほとんど同じ内容です

火災通報装置の予備電源の例

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は消防機関へ通報する火災通報設備(火災通報装置)について

  • 火災通報装置とは
  • 火災通報装置の設置基準と省略できる条件
  • 火災通報装置の機能・構造

これらについて解説してきましたが、重要な部分はアンダーラインをしてありますのでよく覚えておきましょう。

火災通報装置の設置基準は自動火災報知設備の設置基準と混同しやすい部分があるので違いをしっかり理解しておかないと問題に答えるのが難しくなりますので大変ではありますが理解していきましょう。

この記事の中でも特に

  • 設置基準と省略できる条件
  • 機能・構造(予備電源も含む)

これらは試験に出題されやすい部分なのでアンダーラインの部分を中心に重要部分を理解学習していきましょう。