皆さんこんにちわ。
前回のスポット型感知器の設置基準編に続きまして今回は
- 差動式分布型感知器(空気管式)の設置基準
- 差動式分布型感知器(熱電対式)の設置基準
- 差動式分布型感知器(熱半導体式)の設置基準
- 光電式分離型感知器の設置基準
これらについて解説していますが今回も重要な所や覚えたい所はやアンダーラインを引いていますので参考にしてください。
差動式分布型感知器について
差動式分布型感知器には以下の種類があります。
- 空気管式
- 熱電対式
- 熱半導体式
これらの中で空気管式は特に出題傾向が高いので良く学習しておきたいですし、熱電対式もまれに出題されますのでこちらも余裕があったら覚えておきたいところです。
空気管式の設置基準
空気管式は出題傾向が高いのでしっかり覚えておきたい所ですが、覚えたいポイントがかなり多いのでしっかり頑張っていきましょう!
- 感知区域の取付面の各辺(壁面)から1.5m以内に設置
- 取付面(天井面)から下方0.3m以内に設置(下図参照)
- 感知区域毎の空気管の露出部分:20m以上必要(感知区域が狭い場合は重ね巻きやコイル巻を用いて露出部分を確保する)
- 1つの検出器に接続できる空気管の長さは100m以下(複数の感知区域を1つの検出器に接続する場合でも合計100m以下)
- 検出部は5度以上傾斜させてはならない(熱電対式・熱半導体式も同様)
- 傾斜角が3/10以上の天井部分の傾斜面に施設する空気管は頂部に近いほど密にする
- 空気管の相互距離:9m以下(耐火構造)6m以下(非耐火構造)
上記が空気管施工の原則(設置基準)ですが、施工する現場によってはこの原則(空気管相互の距離)だけでは特殊な環境への施工ができないので空気管の施工の特例を2つ定めています。
長方形の感知区域で短辺間の空気管の相互距離が9m(非耐火6m)以上の場合は下図の様にコの字型に配置することができる(一辺省略)
空気管の長辺間の相互距離が6m(非耐火5m)以下の場合は短辺間の相互距離は9m(非耐火6m)を超えても良い
上記が空気管式の設置基準になりますが、重要な部分と数値が多くて覚えるのが大変ですが大切な部分なのでしっかり覚えましょう!
熱電対式の設置基準
今度は熱電対式の設置基準になりますが、こちらは感知区域の面積により熱電対素子を何個設置すれば良いかという基準になり、空気管みたいな相互距離が~という設置基準ではないので注意が必要になります。
- 取付面(天井面)から下方0.3m以内の位置に設置
- 感知区域ごとに、感知区域の床面積が72㎡(耐火構造の場合は88㎡)以下の場合は熱電対素子を4個以上、感知区域の床面積が72㎡(耐火構造の場合は88㎡)を超える場合は熱電対素子4個に18㎡(耐火構造の場合は22㎡)までを増やすごとに1個を加えた数以上の熱電対素子を設置
- 1の検出部に接続できる熱電対素子は20個まで
- 検出部は5度以上傾斜させてないように設置する
これらが熱電対式の設置基準になりますが、2.の部分がややこしいので解説すると、熱電対式を設置しようとする感知区域の床面積が72㎡以下(耐火構造の場合は88㎡以下)であれば熱電対素子は4つでOK
感知区域の床面積が72㎡(耐火構造の場合は88㎡)を超える場合は、熱電対素子1個当たりの感知面積が18㎡(耐火構造の場合は22㎡)なので感知区域の床面積を18㎡(耐火構造の場合は22㎡)で割って小数点以下を繰り上げれば最低設置個数が算出できます。
例…感知区域の床面積が125㎡(非耐火構造)の場合は、125㎡÷18㎡=6.94≒7個
例…感知区域の床面積が125㎡(耐火構造)の場合は、 125㎡÷22㎡=5.68≒6個
上記のような計算式にて算出できるので覚えておきましょう。
熱半導体式の設置基準
最後に熱半導体式の設置基準になりますが、こちらの出題傾向はあまり高くない(むしろ低い?)ので余裕があったら覚えておきましょう。
- 取付面(天井面)から下方0.3m以内の位置に設置
- 熱半導体素子の最低接続個数は、1つの感知区域ごとに2個以上とし、熱半導体素子の最大接続個数は、1つの検出部につき15個以下とする。
- 検出部は5度以上傾斜させてないように設置する
光電式分離型感知器の設置基準
この光電式分離型感知器も出題傾向としては高い方なのでしっかり学習しておきたい部分になりますが空気管式同様覚える項目や数値が多いのでちょっと大変かもしれません。(以下に出てくる光軸とは、感知器の送光部の中心と受光部の中心を結ぶ線のこと)
- 受光部に直射日光が当たらない位置へ設置し、直射日光が当たる恐れがある場合は遮光板を設ける(直射日光により誤作動を誘発するため)
- 送光部と受光部の間に障害物を置かないこと(正常に監視できなくなる)
- 感知器の傾斜角度は90度以上傾斜させてはならない
- 送光部と受光部の間の距離は5m~100mで感知器の公称監視距離の範囲内
- 送光部と受光部の背面壁からの距離は1m以内
- 送光部~受光部間の光軸は平行する壁から0.6m~7m以下
-
感知器を複数設置する場合の光軸間の相互距離は14m以内
光電式分離型感知器は設置高さについても規定があるので注意が必要になります。
- 感知器の取付面の高さは1種は20m未満、2種は15m未満(未満という部分に注意!)
- 光軸の高さは天井面の高さの80%以上
- 傾斜天井に設置する場合は最も高い部分を有効に監視できるよう設置
-
複数設置する場合は最も高い位置から80%以上の位置に設置
光電式分離型感知器の設置基準には「設置位置」と「設置高さ」の2つの条件があり混同しやすいので注意が必要になります。
まとめ
- 差動式分布型感知器(空気管式)の設置基準
- 差動式分布型感知器(熱電対式)の設置基準
- 差動式分布型感知器(熱半導体式)の設置基準
- 光電式分離型感知器の設置基準
これらについて解説してきましたが、重要な部分はやアンダーラインをしてありますのでよく覚えておきましょう。
今回は出題傾向の高い空気管式と光電式分離型について色々な条件および数値などの重要な部分が多く特に空気管の原則(耐火構造の場合は9mなど)と2つの特例、光電式分離型は設置位置と設置高さでそれぞれ重要な数値が多くなっていますのでしっかり学習する必要があり
この記事の中でも特に
- 空気管式の原則(空気管の設置位置と相互距離や接続できる空気管長など)と2つの特例
- 上記原則や特例で耐火構造や非耐火構造により変わる数値
- 熱電対式の原則と感知区域の面積により熱電対素子の設置個数が変わる
- 光電式分離型の設置位置と設置高さの数値(背面壁や平行壁との距離など)
これらは試験に出題されやすく混同しやすい部分なのでアンダーラインの部分を中心に重要部分を理解学習していきましょう。