防炎規制とは

皆さんこんにちは。

最近の記事は防火管理者に関係のある内容が続いていますが、今回も記事タイトル通り防炎やその規制等に関する内容になります。そもそも防炎とは何なのか?なぜ規制が必要なのかなどをわかりやすく説明していこうと思います。

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防炎規制とは?

消防法第8条の3にこの防炎規制について書かれています。

高層建築物若しくは地下街又は劇場、キャバレー、旅館、病院その他政令で定める防火対象物において使用する防炎対象物品(どん帳、カーテン、展示用合板その他これらに類する物品で政令で定めるものをいう、以下同じ。)は、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。

どういうことかというと、カーテンやどん帳のような垂れ下がっているものや、じゅうたんなどの敷物などにストーブなどの火源が接近した場合に着火の原因となりうるばかりか、一旦着火してしまった場合に燃え広がりやすく、火勢が急速に拡大してしまう危険性があります。

その為、高層建築物や不特定多数の者が出入りする建物(防炎防火対象物という)では、火災の発生及び火災拡大を防止する為に布製品などは防炎加工を施した物品を使いなさいという決まり事になります。

防炎について

では防炎とはどんなことを指しているのでしょうか?。これはカーテンなどに火が燃え移っても火災を拡大させない様に加工したり、燃えにくい材料(難燃材料)を使用して火災の成長を抑制することをいいます。もっと簡単に言うと「燃え広がるのを防ぐこと」になります。

これらの燃えにくい性質の度合いを防炎性能といいます。この防炎性能の基準は、防炎防火対象物品の種類や性状に応じて決められていて

  1. 残炎時間(着炎後バーナーを離してから炎を上げて燃える状態が収まるまでの経過時間)。
  2. 残じん時間(着炎後バーナーを離してから炎を上げずに燃える状態が収まるまでの経過時間)。
  3. 炭化面積(着炎後に燃える状態が収まるまでの時間内に炭化する面積)。
  4. 炭化長(着炎後に燃える状態が収まるまでの時間内に炭化する長さ)。
  5. 接炎回数(溶融し尽くすまでに必要な炎を接する回数)。

上記の試験を基準としています(消防法施行令第4条の3第4項、消防法施行規則第4条の3第3項)。

また、上記の防炎性能を測定するための基準も決まっています(消防法施行令第4条の3第5項、消防法施行規則第4条の3第4項〜第7項)。

防炎防火対象物とは

カーテンやじゅうたんなどの防炎対象物品を使用する際に防炎性能を有しているものを使用しなければならない防火対象物を防炎防火対象物と言います。

政令別表第一ってなに?ってかたは→防火対象物とは

  1. 高さ31mを超える建築物や地下街
  2. 政令別表第一の1項〜4項、5項イ、6項、9項イ、12項ロ、16の3項の防火対象物(16項で前記の用途に使用される部分を含む)
  3. 工事中の建築物や工作物で以下のもの
    1. 建築物(都市計画区域外の住宅に使用されるものやこれに付属するものを除く。)
    2. プラットホームの上屋
    3. 貯蔵槽(屋外タンクやサイロ、高架水槽、危険物やガスの貯蔵タンクなど)
    4. 化学薬品製品製造装置(化学工場などの施設など)
    5. 上記cとdに類する工作物(煙突や広告塔など)

また、複合用途防火対象物の部分において、防炎防火対象物の用途のいずれかの用途として使われている部分はそこの部分を1つの防炎防火対象物としてみなすことができる。(消防法施行令第4条の3第2項)

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防炎対象物品の細目

上記にも記載しましたが、防炎対象物品にはどん帳、カーテン、展示用合板その他これらに類する物品で政令で定めるものになります。

ですがいまいちどれがそうなんだろうと困惑するかもしれませんので、防炎対象物品の細目を記載します。

  1. カーテン
  2. 布製のブラインド
  3. 暗幕
  4. じゅうたん(概ね2㎡以下のものは除く)
    1. 織りカーペット(だん通(中国製のじゅうたんのこと)を除く)
    2. 毛せん(フェルトカーペットのこと)
    3. タフテッドカーペット、ニッテッドカーペット、フックドラッグ、接着カーペット、ニードルパンチカーペット
    4. ござ(い草、ポリプロピレン、竹製など)
    5. 人工芝
    6. 合成樹脂製床シート(Pタイルなど)(床下地に固着する接着施工のものを除く)
    7. 床敷物のうち、毛皮製床敷物、毛製だん通やこれらに類するもの以外のもの
  5. 展示用の合板(壁の一部となっているものや、黒板は該当しない)
  6. どん帳、その他舞台で使用する幕(水引、袖幕、暗転幕など)
  7. 舞台において使用する大道具用の合板
  8. 工事用シート
  9. 防炎対象物品には以下のものも含まれる
    1. 仕切りに使用される布製のアコーディオンドアや衝立て
    2. 室内装飾の為に壁に沿って下げられる布製のもの
    3. 布製ののれん(火災予防上支障のないものを除く)
    4. 映写用スクリーン(劇場や映画館などで使用されるもの)
    5. 展示会場で使用されるもの合板で、台、バックスクリーン、仕切りなどに使われるもの
    6. 店舗部分で商品の陳列棚としてではなく、天井から下げられた状態の合板や、パネルなどに使用されている合板
    7. 屋外の観覧席や通路などの部分に敷かれているじゅうたんなど
    8. 体育館などで使用されるフロアシート
    9. 試着室に使われる目隠し布
    10. 昇降機(エレベーター)の床・壁の内面保護などに使われる敷物など(概ね2㎡以下のものを除く)

ちなみに合成樹脂製床シートについては、床下地に強固に接着されていて動かないものは防炎対象物品の対象外になりますが、ただ床に置いてある場合や簡易的(両面テープや滑り止めなど)措置で敷かれているものは防炎対象物品になります。

政令別表第一の7項、学校の体育館で使用されるフロアシートは防炎防火対象物ではないので防炎性能のないものでもかまいませんが、防炎性能を有するフロアシートを使用するのが望ましいとされています。

防炎表示について

防炎性能を有する物品にはそれが防炎性能を有しているという表示を付することができます。また、販売されている防炎物品にはこの防炎表示を付けたものでなければ販売することができないし、防炎表示と紛らわしい表示をすることもできません。

この防炎表示により防火対象物関係者や消防署職員が防炎物品を使用しているということが一目でわかるようになります。ではこの防炎表示はだれがどのように取り付けるのでしょうか?

  1. 防炎表示を付する者は、消防庁長官の登録を受けた者である。
  2. 防炎表示は、縫い付け、ちょう付、下げ札などの方法により、防炎物品ごとに見やすい位置に取り付ける。
  3. 防炎表示は以下の様式による。(製品により大きさや記載される文字が異なる)

出典”公益財団法人 日本防炎協会HP”より 防炎表示の例

また、防火対象物の関係者が、防炎性能を与えるための処理や防炎対象物品の作成を行わせた場合は、防炎物品ごとに見やすい場所に、以下に掲げる事項を明らかにして防炎表示を付さなければならない。

  1. 「防炎処理品」又は「防炎制作品」の文字。
  2. 処理を行い、又は製作した者の氏名又は名称。
  3. 処理を行い、又は製作した年月。

まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます。今回は防炎規制とは、といことで説明させていただきましたが、防炎対象物品には施工方法などにより防炎規制対象の対象外になるものもあるので注意したいところです。

上記しましたが、合成樹脂製の床シートは、床下地に接着すれば防炎規制対象の対象外になり、簡易的な施工では対象になります。

また、野球場に敷かれた人工芝については、屋根のないグラウンドに敷かれた人工芝は対象外になります。ですが、防炎防火対象物の屋上に敷かれた人工芝などは対象になりますので、これも注意が必要です(所轄消防による)。

クッションフロア(塩ビスポンジをビニールなどで覆った床材)は合成樹脂製床シートに該当するので、床下地に接着する施工方法なら対象外、簡易的施工なら対象になります。

工事用シートについては、網状のシートの場合、網目寸法が12mm以下なら対象になり、12mmを超える場合は対象外になります。