工事整備対象設備等着工届の概要表記入例その1

この記事は約9分で読めます。

皆さんこんにちは。

前回の記事より工事整備対象設備等着工届についてお話を始めました。

今回の記事からは各概要表の記入例をやっていこうと思うのでよろしくお願いします。今回の記入例その1では

  • 着工届の表紙
  • 防火対象物・製造所等の概要表
  • 水系消火設備の概要表(屋内・屋外消火栓、水噴霧、泡)
  • スプリンクラー設備の概要表

を説明します。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

着工届の表紙 記入例

工事整備対象設備等着工届出書 記入例

※各欄に共通して、選択肢のある欄は当てはまる事項を○印で囲む。

あて先

所轄の消防長、消防署長(消防本部を置かない市町村では市町村長)を記入する。

届出者

工事を行う甲種消防設備士の氏名を記入する。

工事の場所

工事を行う場合の所在地を記入する。

工事を行う防火対象物の名称

工事を行う防火対象物の名称(仮称の場合は名称の前に仮称と付記)を記入する。

消防用設備等の種類

政令第36条の2の消防用設備等のうち工事を行う消防用設備等名を記入する。

消防用設備等の工事施工者

住所

工事を行う者の住所(法人の場合は所在地)を記入する。

氏名

工事を行う者の氏名(法人の場合は法人名、代表者名)を記入する。

消防設備士

住所

工事を行う甲種消防設備士の住所を記入する。

氏名

工事を行う甲種消防設備士の氏名を記入する。

免状の種類及び指定区分

工事を行う甲種消防設備士の免状の種類、交付県等名、交付年月日、交付番号及び最新の受講年月日と受講地を記入する。

着工予定日

工事を開始する予定年月日を記入する。

完成予定日

工事を完成させる予定日を記入する。

 

防火対象物・製造所等の概要表 記入例

防火対象物・製造所等の概要表 記入例

※各欄に共通して、選択肢のある欄は当てはまる事項を○印で囲む。

※その他欄には、各欄で記入できないこと及びその他の特記事項を記入する。

名称

当該工事を行う防火対象物の名称(仮称の場合は名称の前に仮称と付記)を記入する。

所在地

工事を行う防火対象物等の住所(住居表示)を記入する。

用途

工事を行う防火対象物等の用途(政令別表第1参照)を記入する。

政令別表第1ってなに?って方は下記の記事を参照してください。

防火対象物とは
この記事では消防用設備には欠かせない防火対象物(政令別表第一の用途一覧)についてや、特定防火対象物と非特定防火対象物の違いなどについて詳細に説明・解説しています。また3項イとロの違いについて、6項における細分化についても記載しています

 

階数(階層)

工事を行う防火対象物等の階数を記入する。

述べ面積

工事を行う防火対象物等の述べ面積を記入する。

区分

階別

工事を行う防火対象物等の各階を下層階より記入する。

床面積(㎡)

当該階の床面積を記入する。

用途又は室名

当該階の用途又は室名を記入する。

構造

当該階の主要構造の種別を記入する。(鉄骨造→S、鉄筋コンクリート造→RC、鉄筋鉄骨コンクリート造→SRCなど)

内装仕上げ

当該階の天井及び壁に使用した内装仕上げ材料(不燃材料、準不燃材料、難燃材料などの種別)を記入する。

特記事項

当該階の特記すべき事項があれば記入する。

 

消火設備の概要表記入例(屋内・屋外消火栓、水噴霧、泡消火設備)

※1、選択肢のある欄は該当事項を○印で囲む。

※2、当該消防用設備に関係のない事項には何も記入しないこと。

※3、その他の欄には、認定品の型式番号、その他の特記事項を記入する。

※4、各欄の①~④は①屋内消火栓設備、②屋外消火栓設備、③水噴霧消火設備、④泡消火設備、に該当する部分

水源

有効水量(当該設備用)①~④

有効水量を㎥単位で記入する。

加圧送水装置

電圧①~④

銘板仕様を記入する。

口径×吐出量×全揚程×出力①~④

銘板仕様を記入する。

呼水装置

有効水量  L①~④

有効水量をリットル単位で記入する。

減水警報の表示場所①~④

減水警報が表示される階及び場所を記入する。

起動用圧力タンク

容量  L①~④

タンク容量をリットル単位で記入する。

ポンプ設置場所①~④

ポンプを設置する階及び場所名を記入する。

高架水槽方式

有効落差  m①~④

高架水槽方式で送水する場合はその有効落差をm単位で記入する。

圧力水槽方式

加圧圧力  Mpa①~④

圧力水槽の加圧圧力を記入する。

内容積①~④

圧力水槽の内容積を㎥単位で記入する。

屋内消火栓

1号  個

1号消火栓の設置個数を記入する。

2号  個

2号消火栓の設置個数を記入する。

易操作性1号  個

易操作性1号消火栓の設置個数を記入する。

合計  個

1号消火栓、2号消火栓、易操作1号消火栓の合計数を記入する。

屋外消火栓  個

屋外消火栓の設置個数を記入する。

ホース

ホースの長さ及び設置本数を記入する。

表示灯

始動表示灯について、有・無の選択肢に○印をつける。

噴霧ヘッド

標準放射量  L/min

水噴霧消火設備等のヘッドの標準放射量及び設置個数を記入する。

標準放射圧力  Mpa

水噴霧消火設備等のヘッドの標準放射圧力及び設置個数を記入する。

放射角度

標準放射角度を記入する。

泡消火設備の方式

一斉開放弁

一斉開放弁の型式番号及び設置個数を記入する。

泡消火薬剤

貯蔵量

当該薬剤の貯蔵量をリットル単位で記入する。

希釈容量濃度

当該薬剤の希釈容量濃度を%で記入する。

放水(出・射)区域

区域数  区域③④

水噴霧消火設備及び泡消火設備の放水(出・射)区域数を記入する。

最大放水(出・射)面積③④

区域のうち最大となるものの放水(出・射)面積を記入する。

放水(出・射)量③④

区域のうち最大となるものの放水(出・射)量を記入する。

最大放出体積③④

区域のうち最大となるものの放出体積を記入する。

最小放水(出・射)面積③④

区域のうち最小となるものの放水(出・射)面積を記入する。

放水(出・射)量③④

区域のうち最小となるものの放水(出・射)量を記入する。

最小放出体積③④

区域のうち最小となるものの放出体積を記入する。

起動装置

ポンプ起動方式①~④

ポンプを起動させるための装置の種別を○印で囲む。

起動感知方式③④

一斉開放弁などを起動させるための装置の種別を○印で囲む。

自動警報装置③④

自動警報装置の種別及び個数を記入する。

配管

立上がり管口径①~④

当該管の口径をmmで記入する。

材質…①~④

当該管の材質をJIS規格番号で記入する。よく使用されるSGP鋼管はJIS G3452です。

専用・兼用(  設備)①~④

当該管の専用・兼用の選択肢に○印を付け、兼用の場合は( )内に兼用する消火設備名を記入する。

弁類

止水弁①~④

止水弁の材質のJIS規格番号を記入する。炭素鋼鋳鋼品ならJIS G5101です。

逆止弁①~④

逆止弁の材質のJIS規格番号を記入する。ねずみ鋳鉄品ならJIS G5501です。

ブースターポンプ

ポンプ、電動機については加圧送水装置欄の記入例により記入し、補助水槽欄にはその容量を記入する。

電源(常用電源)

AC  V①~④

交流電源の電圧を記入する。

DC  V  AH①~④

直流電源の場合は電圧及び容量を記入する。

電源(非常電源)

自家発電設備

AC・DC  V  kVA①~④

AC若しくはDCの選択肢に○印を付け、電圧及び容量を記入する。

蓄電池設備

DC  V  AH①~④

電圧及び容量を記入する。

非常電源専用受電設備

単相・三相 AC  V①~④

単相若しくは三相の選択肢に○印を付け、電圧を記入する。

屋内消火栓の概要表 記入例

屋外消火栓の概要表 記入例

水噴霧消火設備の概要表 記入例

泡消火設備の概要表 記入例

スプリンクラー設備の概要表記入例

スプリンクラー設備の概要表 記入例

※選択肢のある欄は、該当事項を○印で囲む。

※その他の欄には、認定品の型式番号、その他の特記事項を記入する。

水源

有効水量(当該設備用)

有効水量を㎥単位で記入する。

☆加圧送水装置

電圧

銘板仕様を記入する。

口径×吐出量×全揚程×出力

銘板仕様を記入する。

☆呼水装置

有効水量  L

有効水量をリットル単位で記入する。

減水警報の表示場所

減水警報が表示される階及び場所を記入する。

☆起動用圧力タンク

容量  L

タンク容量をリットル単位で記入する。

ポンプ設置場所

ポンプを設置する階及び場所名を記入する。

高架水槽方式

有効落差  m

高架水槽方式で送水する場合はその有効落差をm単位で記入する。

圧力水槽方式

加圧圧力  Mpa

圧力水槽の加圧圧力を記入する。

内容積

圧力水槽の内容積を㎥単位で記入する

スプリンクラーヘッド等

スプリンクラーヘッドの種別に応じた設置個数、補助散水栓等の設置個数を記入する。

自動警報装置

種類、口径(単位mm)、設置個数を記入する。

一斉開放弁、電動弁

口径(単位mm)、設置個数を記入する。

放水型ヘッド

種別、設置個数を記入する。

一斉開放弁

口径(単位mm)、設置個数を記入する。

加圧送水装置

上記☆印部分の例により記入する。

送水口

双口型  箇所

双口型送水口の設置箇所数を記入する。

配管

立上がり管口径

立上がり管の口径をmm単位で記入する。

材質

立上がり管の材質をJIS規格番号で記入する。よく使われるSGP管はJIS G3452です。

専用・兼用(  設備)

当該管の専用・兼用の選択肢に○印をつけ、兼用の場合は( )内に兼用する設備名を記入する。

弁類

止水弁

止水弁の材質をJIS規格番号で記入する。

逆止弁

逆止弁の材質をJIS規格番号で記入する。

ブースターポンプ・補助加圧装置

上記☆印部分の例により記入する。

補助水槽

容量を記入する。

電源(常用電源)

AC  V

交流電源の電圧を記入する。

DC  V  AH

直流電源の場合は電圧及び容量を記入する。

電源(非常電源)

自家発電設備

AC・DC  V  kVA

AC若しくはDCの選択肢に○印を付け、電圧及び容量を記入する。

蓄電池設備

DC  V  AH

電圧及び容量を記入する。

非常電源専用受電設備

単相・三相 AC  V

単相若しくは三相の選択肢に○印を付け、電圧を記入する

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回の記事から概要表の記入例をやっていきますが、水系消火設備の概要表は4種類の設備共通で記入になりますのでどこに記入すれば良いのかわかりづらいですが、よーく見れば大丈夫です。

スプリンクラーも放水型ヘッド以外の部分と放水型ヘッドの部分でわかりづらいですが、上記の記入例を見ていただければその境界線がわかると思います。

防火対象物の概要表では、既設防火対象物に係る用途又は室名の部分や内装仕上げの部分は「既設」でも大丈夫です(内装や用途に変更がなければ)。

ただこれも所轄消防で違うので、消防によってはダメって言うところもあるでしょう。私が良く行く消防ではこれでOKもらってます。

次回はガス系消火設備の概要表記入例をやっていきます。