皆さんこんにちわ。
屋内消火栓設備の点検票にそって点検要領を説明していきます。
今回は点検票その1とその2の部分になります。
水源
貯水槽
貯水槽に変形・破損・漏水・腐食などがないか確認する。貯水槽の種類には地下貯水槽、地上タンク貯水槽、貯水池、河川などがあります。
水量
- 水位計や検尺棒などで水位を測定し規定の水量があるか確認する。
- 他の設備と水源を兼用している場合は規定量があるか算定する。
- 水源が河川や湖などの自然水利の場合、四季を通して規定量が確保されているか確認する。
規定水量があるかの確認をする場合は下記の記事を参照してください。
水状
目視、バケツなどで採水し、浮遊物・沈殿物・腐敗がないか確認する。
給水装置
- 目視、排水弁の操作により確認する。変形・破損・腐食等がなく減水状態で給水し、満水状態で給水停止するか確認する。また排水量が非常に多い・排水弁がないものは次の方法で確認する。
- 水位電極を用いるもの(FMバルブ、電動弁など)は、電極の配線を外して(試験スイッチ等を操作して)水量不足状態を擬似的に作りだして給水装置を作動させ、その後、電極を戻して(試験スイッチ等を操作して)給水完了状態を擬似的に作りだして給水装置を復旧させて確認する。
- ボールタップを用いるものはボールタップを水中に埋没させ擬似的に減水状態を作りだして給水するかを確認して、その後ボールタップを戻して満水状態にして給水が停止するか確認する。
給水装置や電極棒の操作・点検方法について確認したい方は下記の記事を参照してください。
水位計
目視、水量を操作して確認する。変形・破損などがないか、水位の指示値が適正か確認する。
マンホール等を開けて検尺棒等で水位を測定し、その後排水弁を開けて排水し、水位計の指示値が変化するか、指示値が適正か確認する。
この水位計には消火水槽の満水や減水を検知するフロートや電極棒なども含まれる。
圧力計(圧力水槽方式に限る。)
目視、次の操作により確認する。変形・破損などがなく、圧力計のゲージコック又はバルブ等を閉めて圧力計を取り外し、ゼロ点を確認した後、圧力計を取り付けゲージコックまたはバルブ等をゆっくり開けて指針の作動状況および圧力の指示値を確認する。圧力計のゼロ点の位置、指針の作動が円滑か、圧力の指示値が適正か確認する。
バルブ類
目視、開閉操作にて確認する。変形・破損・漏れ等がなく、開閉位置が適正で容易に開閉操作ができ、「常時開」「常時閉」の表示がされ、表示通りの状態になっているか確認する。
加圧送水装置
ポンプ方式
電動機の制御装置
周囲の状況
使用上または点検上の障害となる物品等がないか確認する。基本的に消火栓ポンプ室は不燃専用室になっているのでポンプ室内に物品を置いたりしてはいけません。
外形
変形・破損・腐食等がないか確認する。
表示
銘板などの表示に不鮮明・脱落などがなく、適正になされているか確認する。。
電圧計・電流計
変形・破損等がなく指針の位置が適正であるか確認する。。電圧計等がない機種は電源表示灯が点灯しているか確認する。
開閉器・スイッチ類
変形・破損・脱落・端子の緩みなどがなく、開閉位置及び機能が正常であるか確認する。
ヒューズ類
破損・溶断などがなく、指定された種類及び容量のものが使われているか確認する。
継電器
脱落・端子の緩み・接点の焼損・ほこりの付着などがなく、確実に作動するか確認する。俗に言うリレーのことです。ほこりなどが付着している場合には清掃する。ほこりが湿気を含み回路短絡して故障する場合がある。
表示灯
正常に点灯するか確認する。
結線接続
破損・脱落・断線・端子の緩みなどがないか確認する。
接地
断線・腐食などがないか確認する。
予備品等
ヒューズ・回路図・取説などが用意してあるか確認する。
起動装置
直接操作部
周囲の状況
使用上・点検上の障害となる物品等がないか確認する。直接操作部とはポンプの制御盤等で直接ポンプを起動する部分になります。
外形
変形・破損・腐食等がないか確認する。ほとんどが押しボタンですが、たまにコマンドスイッチのものがあります。
表示
「ポンプ運転」や「ポンプ停止」などの表示に不鮮明・汚損などがなく適正であるか確認する。
機能
押しボタン等を操作して、加圧送水装置(ポンプ)が確実に起動するか、始動表示灯が点灯もしくは点滅するか確認する。
遠隔操作部
周囲の状況
使用上・点検上の障害となる物品等がなく、消火栓箱の表面・内部・直近に設置されているか確認する。
外形
変形・破損などがないか確認する。自動火災報知設備の発信器を用いることが多いです。
表示
「消火栓始動」や「強く押す」などの表示に汚損・不鮮明な部分がなくて、適正であるか確認する。
機能
加圧送水装置(ポンプ)が確実に起動し、始動表示灯が点灯または点滅するか確認する。
押しボタンなどが自火報と兼用の場合があり、ベルなどが鳴動する恐れがあるので必要な処置をしてから確認する。
遠隔起動部(易操作性1号消火栓及び2号消火栓に限る。)
周囲の状況
使用上・点検上の障害となる物品等がないか確認する。
外形
変形・破損などがないか確認する。リミットスイッチやバルブ組み込みのスイッチなどがある。
機能
加圧送水装置が確実に起動し、始動表示灯が点灯または点滅するか確認する。加圧送水装置の起動により警報がでる恐れがあるので必要な処置をしてから確認する。
起動用水圧開閉装置
圧力スイッチ
変形、損傷、端子の緩み等がなく、設定圧力値が設計図書のとおりであるか確認する。
起動用圧力タンク
変形、破損、漏水、腐食等がなく、圧力計の指示値が適正であり、バルブ類の開閉位置が正常で、開閉操作が容易にできるか確認する。
機能
設定圧力値を確認の上、排水弁を徐々に開きタンク内圧力を下げ、設定圧力値で加圧送水装置が起動するか確認する。作動圧力値が設定圧力値通りであるか確認する。
電動機
外形
変形・破損・腐食等がないか確認する。
回転軸
手で回して円滑に回るか確認する。回らない場合は加圧送水装置の電源を遮断して原因を追及する。
軸受部
潤滑油に著しい汚れ、変質等がなく、規定量入っているか確認する。
軸継手
緩みなどがなく、接合状態が確実か確認する。
機能
電動機の著しい発熱、異常な振動、不規則又は不連続な雑音等がなく、回転方向が正常であるか確認する。
※ 運転による機能の点検を行うとき以外は、電源を遮断して行うことをおすすめします。
ポンプ
外形
変形・破損・腐食等がないか確認する。
回転軸
手で回して円滑に回るか確認する。回らない場合は加圧送水装置の電源を遮断して原因を追及する。
軸受部
潤滑油に著しい汚れ、変形等がなく、規定量入っているか確認する。
グランド部
著しい漏水がないこと。ポンプ運転時には適量の水が出てくるか確認する。
連成計及び圧力計
指針がゼロ点の位置を指すか、指針が円滑に作動するかを以下の操作で確認する。
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- ゲージコック又はバルブ等を閉じて水を抜き、指針の位置を確認する。
- ゲージコック又はバルブ等を開き、ポンプを運転することにより確認する。
性能
ポンプ吐出側に設けられている止水弁(メインバルブ)を閉じたのち、ポンプを起動させ、性能試験用配管のテスト弁を開放して、規定の流量を流して流量計及び圧力計を確認する。
このとき、異常な振動・不規則又は不連続な雑音等がなく、吐出量及び吐出圧力が所定の値であるか確認する。
流量試験等について詳しくは下記の記事を参照してください。
呼水装置
呼水槽
変形・破損・漏水・腐食等がなく、水量が規定量以上あるか確認する。
バルブ類
変形・破損・漏れなどがなく、開閉位置が正常で、開閉が容易に出来、「常時開」「常時閉」の表示が適正であるか確認する。
自動給水装置
変形・破損・腐食等がなく、呼水槽の水量の2分の1に減水するまでに給水が始まるか確認する。ボールタップ・FMバルブ、電動弁などがある。
減水警報装置
変形・破損・腐食等がなく、給水弁を閉じ、排水弁を開けて水位を下げておおむね2分の1の水量までに警報を発するか確認する。フロート式、電極棒方式などがある。
電極棒方式の確認方法について詳しくは下記の記事を参照してください。
フート弁
吸水管を引き上げる、若しくは試験用ワイヤー(鎖など)を引っ張り、下記を確認する。ワイヤー等の試験器具がない場合はポンプの呼水漏斗のコックを開いて下記を確認する。
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- 吸水に障害となる異物の付着や詰まりがないこと。
- 呼水漏斗から連続的に溢水すること。
- フート弁の逆止効果が正常であること。
性能試験装置
変形・破損・腐食等がなく、定格負荷運転時の状態が維持されているか確認する。
高架水槽方式
高架水槽直近及び最遠の消火栓開閉弁等における静水頭圧を確認する。
変形・破損・腐食・漏水等がなく、所定の圧力が確保されているか確認する。
圧力水槽方式
排気弁を開放して確認する。
※排気弁を開放する時は高圧力による危害防止の為、バルブの開放はゆっくり行うこと。
-
- 変形・破損・腐食・漏水等がないか。
- 所定の圧力が確保されているか。
- 圧力の自然低下防止装置の起動及び停止が確実に行われ、所定の圧力が確保されること。
減圧のための処置
変形・破損・腐食・漏れ等がないか確認する。
消火栓開閉弁に取り付ける減圧弁や一次圧力調整弁などがある。
その3へ続きます。